【授乳中に生ハムは大丈夫?】食べたら危険!?赤ちゃんへの影響は?徹底解説!

 

生ハム、馬刺し、ユッケ

 

こういった生肉の類は妊娠中は食べることができないため、我慢していたママは多いですよね。

 

肉や魚、卵などはしっかり火を通すことが大切だと言われていますが、それは細菌による胎児の感染を防ぐため。

 

出産を終えたら、と楽しみにしている方も多いはず。

 

しかし、妊娠中に良くないとされていた食べ物は、授乳中でもなかなか手が出せないですよね。

 

いい母乳を出して赤ちゃんに飲んでもらうため、と授乳期間が終わるまでは気の抜けないママもいるのではないでしょうか。

 

しかし、妊娠中と授乳中では赤ちゃんへの栄養の吸収のされ方も影響の仕方も大きく変わってきます。

 

今回は、授乳中の生ハムなど生肉の摂取や注意点について詳しく解説していきます。

 

目次

細菌による母体への影響

 

 

生ハムを食べる際にまず気になるのは、リステリア菌やトキソプラズマなどの細菌による食中毒でしょう。

 

これらの細菌にかかると一体どのような症状が出るのでしょうか。

 

主な細菌は以下の2つですが、ほかにも季節などによって様々な種類の食中毒があり、妊娠中または授乳期間は十分な注意が必要です。

 

①リステリア菌

(リステリア菌 出典:Wikipedia

 

リステリア菌とは非加熱の食品に存在する最近の一種です。

 

生ハムの他にはナチュラルチーズやスモークサーモンなどに存在してしますが、加熱されたチーズであれば問題ないと言われています。

 

日本のナチュラルチーズは加熱処理が義務付けられていますが、輸入チーズには義務化がされていないため、妊娠中は避けるのが一般的です。

 

妊娠中に感染すると、流産を引き起こしたり、胎盤を通して胎児に視力障害や脳性まひなどの症状をもたらす可能性があるため・・・・

 

世界保健機関(WHO)の国際食品安全当局ネットワークが公表した「妊娠中および授乳期の食品安全と栄養」において、“リステリア菌の妊婦や胎児等に影響を与える化学物質や微生物等の病因物質に関する注意喚起”がなされています。

 

②トキソプラズマ

(トキソプラズマ 出典:Wikipedia

 

トキソプラズマはネコを終宿主とする人畜共通感染性の細胞内寄生性原虫で、ヒトからヒトへ感染することはありません。

 

しかし妊娠中に初めて感染すると、胎盤を通して胎児にうつり、脳や目に障害のある赤ちゃんが生まれることがあります。

 

感染は、加熱が不十分な肉を食べたり、猫のふんが混じった土をいじったりすることで起きます。

 

ほとんどの場合母体は免疫能正常で無症状ですが、妊娠中の初感染の約30%が経胎盤感染し、数%から20%に典型的な先天性トキソプラズマ症状を発症します。

 

しかし、出生時無症状であっても、成人になるまでに網脈絡膜炎や神経症状などを呈することがあり、トキソプラズマ胎内感染の実態は不明であるのが実状です。

 

細菌による母乳への影響

 

 

妊娠中、胎児はママから胎盤を通じて栄養をもらいます。

 

では授乳期はというと、母乳は母体にもともと蓄えられている栄養分をもとにある一定の濃度を保って作られています。

 

また、母乳が作られる乳腺は、消化された食物が通る肝臓への血管やリンパ管と直接つながっているわけではありません。

 

そのため、食べたものの成分がそのまま母乳に出てくることはなく、万が一授乳中に食品からこれらの菌で食中毒にかかったとしても、母乳を介して菌が赤ちゃんへ移行することはありません。

 

赤ちゃんの感染を防ぐ

 

 

母体を介して赤ちゃんに感染することはないと言われる食中毒。

 

しかし、ママ自身出産を経て免疫力が弱まっているときに生肉を食べることはあまりオススメできません。

 

なぜなら、ママがが下痢や嘔吐をくり返し脱水状態になると、母乳の出が悪くなることがあるからです。

 

赤ちゃんとほとんどの時間を共に過ごすママからは、母乳以外からの感染は十分にありえます。

 

食中毒は感染力が強いので、何らかの経緯でママから感染してしまうことはないとは言い切れません。

 

普段から何気なく触れているものに菌がついてしまうことや、ママが赤ちゃんに触れることで二次感染に至ってしまった、というケースもあります。

 

生ハムや馬刺しなどの持つ栄養素と効能

 

 

食中毒などの細菌の感染は、調理法で防げるものも少なくありません。

 

また、食材によってはママにとって必要な栄養素を含んだものもあります。

 

授乳中のママにとって生ハムなどの生肉は、しっかりと注意をすれば美味しく食べることのできるものなのです。

 

①生ハムの栄養素と食べ方

加工肉である生ハムは、未調理の豚肉に比べて塩分濃度が高いため食べ過ぎると血圧が高くなります。

 

また、食品添加物を含むものも多く売られているので、どうしても食べたい場合には無添加のものなどを選ぶといいでしょう。

 

塩分を含む他の食品との組み合わせは塩分過多になるので、サラダなどのドレッシング代わりなどにするのがオススメです。

 

また、カリウムを多く含むメロンとの相性もいいといえます。

 

②馬肉の栄養素

 

 

馬肉は牛肉、豚肉などに比べてエネルギーや脂質が少なく、たんぱく質や鉄、ビタミンB12が多いと言われています。

 

ビタミンB12 は、葉酸と協力して赤血球中のヘモグロビン生成を助ける働きと、脳からの指令を伝える神経を正常に保つ働きがあります。

 

中でも馬刺しは、脂質を抑えながらたんぱく質やビタミン、ミネラルを豊富に取り入れられるためママにはオススメの食材であると言えます。

 

では、馬刺しを食べることで生じる食中毒の危険性はどうなのでしょうか。

 

馬肉による食中毒の原因として一番有名なのが、サルコシスティス・フェアリーという寄生虫です。

 

この寄生虫による食中毒になると、食後数時間で一過性の下痢や嘔吐、腹痛などの消化器症状が起こります。

 

症状は比較的軽度で、回復が早いとされています。

 

サルコシスティス・フェアリーの食中毒の予防方法は、マイナス20℃(中心温度)で48時間以上冷凍処理することです。

 

なので、馬刺しを食べたい場合は専門店など衛生管理の整った場所で食べるのがいいでしょう。

 

ローストビーフやユッケの注意点

 

 

牛肉には、鉄、亜鉛、ビタミンB2といった豊富な栄養素が含まれています。

 

しかし豚や鶏と比べると脂質の多い牛肉は、食べ過ぎには注意が必要です。

 

ローストビーフやユッケなど、レアで食べる際には、肉に食中毒の原因となる菌が付着している可能性があります。

 

本来菌は付着していたとしても、十分に加熱することによってほとんどのものが死滅し、安全に食べることができます。

 

中心部を7585℃1分以上加熱することで、菌やウイルスを死滅させることができます。

 

75℃では見た目にまだ赤みが残っていることがあり、85℃では変色していることが確認できる状態です。

 

充分に火を通さずに食べることはおすすめとは言えませんが、食べる際には新鮮なものを選ぶようにしましょう。

 

まとめ

・妊娠中とは違い細菌が母乳を介して赤ちゃんに移行することはない

 

・授乳中に生肉を食べることは可能である

 

・馬刺しなどママにとっていい栄養素を含むものもあるので管理された場所で食べるといい

 

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