授乳期間中のお母さんは赤ちゃんが生まれてから生活が激変して毎日大変ですよね。
産後、今までの生活と大きく変化するライフスタイル。特に、出産前と大きく異なり産後にまずお母さんが行う仕事が「授乳」ではないでしょうか?
授乳は毎日、それも頻繁に行う赤ちゃんを育てる為の大事なお仕事。だからこそ、授乳に関わる食事には気を使います。
今回は、授乳中に生卵は食べても良いのか?生卵を食べる事によって赤ちゃんに与える影響などについて徹底解説いたします。
目次
授乳中に生卵は大丈夫?
授乳中のお母さんは、母乳によって赤ちゃんの健康へ悪影響を及ぼしかねない事にとても神経質になっています。
食事も当然気を使いますが、中でもアレルギーと結びつく食材に対して恐怖感や不安感を持つお母さんも多いのではないでしょうか?
①まずは安心してほしい。生卵を食べても大丈夫
これから、授乳中に卵を食べる事によって考えられる影響や理由について説明していくきますが、お母さんの不安を煽らない為にもまずは結論から伝えます。
「基本的に、授乳中に生卵を食べても問題はない」
もちろん、これから考えられる影響や可能性を後述していくのですが皆さんが想像している程、授乳中の生卵が禁忌食材では無いという事を知っておいて欲しいのです。
基本的に、となっているので不安を感じるお母さんもいるかもしれませんね。
それでは、これから授乳期間中に生卵を食べた際に考え得る影響や可能性について詳しく解説していきましょう。
②卵とアレルギー
まず、そもそも何故「卵」を授乳期間中に摂取する事に対して不安感を持つのでしょうか?不安に感じる理由はアレルギーではないでしょうか?
事実、日本における0歳児のアレルギー原因物質の第一位は「卵」です。この事から、卵を摂取すると卵アレルギーになってしまうのでは?と心配になるのは当然と言えます。
ちなみに、消費者庁の調査結果によれば0歳児の即時型食物アレルギー原因食物は、
第一位が卵
第二位が牛乳
第三位が小麦
となっています。
③母乳とアレルギー発症率の関係性
アレルギー原因物質のベスト3は卵と牛乳と小麦。それでは、お母さんはこれら3種類の含まれる食事をしない方がいいのでしょうか?
いえいえ、そんな事にはなりません。確かにアレルギー原因物質として発症件数は多いですが、アレルギーは遺伝や体質が起因するものです。
言い方を少し変えましょう。
お母さんの食事で、赤ちゃんがアレルギー体質を引き起こす可能性はありません。
実際に、研究結果として報告されているデータによれば母体がアレルギーの原因とされる食事をした場合と、食事制限によって原因となる食材を一切摂取しなかった場合とで比較をしたところ「乳児のアレルギー発症率に差が見られなかった」という研究結果が出ています。
つまり、お母さんが食事制限をしてもしなくてもアレルギーを起こす子は起こしてしまうという事です。
④注意が必要なケース
お母さんが卵を食べたせいで、赤ちゃんが卵アレルギーになる事はない訳ですが注意が必要なケースもありますので解説していきます。
注意が必要なケース、それは「赤ちゃんが卵アレルギーと判明している場合」です。
アレルギーの発症率No1原因物質の卵ですから、仮にアレルギーが判明したとしてもお母さんが悪いわけでは無いので気に病むのはやめましょうね。
しかし、赤ちゃんが卵アレルギーである事が判明している場合には少し注意が必要となります。
なぜなら母体がアレルギー原因物質を含む食事を摂った場合、微量ではありますが母乳にアレルギー抗原が含まれる可能性があるからです。
研究結果によれば、母体がアレルギー原因物質を含む食事を摂った場合11~34%の頻度でごく微量のアレルギー抗原が母乳から検出されました。
このデータは、視点を変えれば
・食べれば必ず母乳に影響を及ぼすわけではない
・仮に含まれたとしてもその量はごくわずかである
という見方もできるので過度に心配する必要は無いのですが、赤ちゃんが卵アレルギーと判っているのであれば、極力避けた方が良いかもしれませんね。
基本的に大丈夫と言った理由の一つがここにあります。赤ちゃんが卵アレルギーと判っている場合は、かかりつけの医師に相談すると良いでしょう。
⑤「生」卵ゆえに起こり得る危険性
赤ちゃんがアレルギー体質を持っていた場合は注意が必要と述べましたが、もう一つ卵を摂取する上で注意したい理由が「生」卵ゆえに起こりうる危険性です。
それは、サルモネラ菌の感染リスク
実は、授乳期間中は関係なく「生卵」を食べればサルモネラ菌に感染する可能性はあります。悪くなった卵で食中毒を起こす原因は大抵サルモネラ菌感染によるものです。賞味期限内で、尚且つ間違った保存方法にでもしない限り基本的にはあまり心配はありません。
しかし、産後は個人差があるものの体力や免疫力が低下している状態です。
普段なら感染しないサルモネラ菌に感染しやすくなっている可能性もあるので注意は必要です。サルモネラ菌に感染した場合、嘔吐・下痢・腹痛などの症状が起きます。
およそ3~4日、長ければ1週間程度症状が続くので子育て期間中の感染は避けたいですね。
サルモネラ菌に万が一感染した場合赤ちゃんへの影響が気になるところですが、母乳を介してサルモネラ菌が赤ちゃんへと感染する事はありませんので安心してください。
あまり神経質になるのも良くはありませんが、リスクを避けるという意味でも卵を摂取する場合は火を通した方が安全ですね。
授乳中は卵とどう向き合うべきか?
冒頭でも述べましたが、ここまで読み進めたお母さんの中には不安になってしまった方もいるかもしれません。
授乳期間中、お母さんは卵とどう向き合うべきなのでしょうか。
結論は変わらず、やはりあまり気にせず食べても良いと考えます。
確かに、母乳へとアレルギー抗原は微量に含まれる可能性はありますし、生食すればサルモネラ菌感染のリスクはあります。しかし、アレルギー抗原は食事で摂った量に比べれば含まれたとしてもごく微量。サルモネラ菌感染リスクも加熱処理を施せば簡単に避けられます。
大事な事は、卵の摂取量や食べ方を管理するという事です。
いくら母乳に介在する量が微量であっても、総摂取量が増えれば当然含まれてしまう量も増えてしまいます。
生卵を食べたいと考えるのであれば、新鮮な卵を食べれば感染リスクは減りますし、より安全を考慮するのであれば火を通せば問題ありません。
卵が含まれる食事は、一切口にしないように心掛けたとしましょう。きっと神経質なまでに卵を避けようとした時、成分表示を見て卵が含まれる食品の多さにびっくりする事でしょう。
卵を食べる事を控えて、多大なストレスを感じる事と卵を食べた場合のリスクを天秤にかけた場合、ストレスを感じる事の方が子育てにとってはマイナスです。
授乳中に生卵を食べても大丈夫なのか?というテーマでお送りしてきましたが、改めて結論付けると、鮮度や摂取量に気を付ければ食べても大丈夫です。
ただし、再度申し上げますが赤ちゃんが卵アレルギーと判明している場合は医師へと相談して食べるかどうかを決めて下さいね。
まとめ
・基本的に食べても大丈夫。
・アレルギー抗原は微量だが母乳に介在するが気にし過ぎなくて良い。
・卵を食べたからといって赤ちゃんのアレルギー発症には関与しない。
・生食はサルモネラ菌感染に注意。
・食べ方や鮮度に注意して卵を食べるべき。
・赤ちゃんがアレルギーを持っている場合は医師に相談をする。
授乳中はとかく神経質になりがちです。
赤ちゃんがアレルギーを発症している事が判っているのであれば、気にすべき食材ではありますが、基本的には食べても大丈夫です。
摂取量や食べ方に気を付けながら栄養バランスの良い食事を心がけましょう。