【エビのしっぽ】毒がある!?内側の黒い部分って食べても問題ない?徹底解説!

 

エビの天ぷら、エビフライ、エビのチリソース。

 

子どもから大人まで幅広く人気のある海の幸「エビ」を使った、和洋中それぞれの代表的な料理です。

 

これらの料理は、どれもしっぽが付いたまま調理されることが多い料理です。

 

やはり赤く火の通ったしっぽが付いていると見栄えもして華やかですし、豪華でおいしそうに見えますよね。

 

今回はそんな「エビのしっぽ」を中心に、しっぽの毒の有無や栄養素・食べる派食べない派などについて、さまざまな説をご紹介します。

 

目次

しっぽを付けたまま調理する理由

 

 

そもそもなぜエビはしっぽを付けたまま調理されることが多いのでしょうか。

 

食べないのであればはじめから取って調理してしまえばいい気がしますし、食べるためと言うのであればしっぽ以外の殻も食べられるはずなのに剥いてあることが多いです。

 

理由は諸説ありますが、やはり「見た目がきれいでより大きく見えるから」というのが一番の理由のようです。

 

そのほか、縁起担ぎの意味がこもった「尾頭付き」の名残りであるという説や、お客さんにしっぽの先でエビの鮮度を確認してもらうためという説、揚げ物などの衣をつける時の持ち手として残すという説などがあり、どれもなるほどと頷ける理由ばかりです。

 

エビのしっぽを残す目的は、調理する人によって様々なのかもしれません。

 

 

エビのしっぽには毒がある?

 

 

エビのしっぽには毒があるというウワサがあるのをご存知ですか?

 

結論から言うと「毒」と呼べる物質は入っていないそうです。

 

しかし、エビのしっぽに限ったことではありませんが、食べることで体に何らかの悪影響を及ぼす可能性があることは事実で、それが「毒がある」というウワサに繋がったのかもしれません。

 

ここではそんな例をいくつかご紹介しますので、今後はこれらの可能性を踏まえたうえ自己責任で食べましょう。

 

①消化不良を起こす可能性

エビのしっぽは「キチン質」という動物性食物繊維でできており、この物質は消化液に含まれる酸などに溶けにくいという性質を持っています。

 

そのため消化されづらく、小さな子どもやお年寄りなどでは特に消化不良を起こしてしまう可能性があるとのこと。

 

②ノドや胃腸を傷つける可能性

 

 

エビのしっぽは硬く細かいトゲもあるため、あまり噛まずに飲み込んだりするとノドや胃腸の内壁を傷つけてしまう場合があります。

 

そうなると傷ついた場所から少なからず炎症を起こしてしまう危険性があるので、食べるときはよく噛んで食べましょう。

 

③汚れた水分が溜まっている可能性

エビのしっぽの内側にある黒く尖った部分には汚れた水分が溜まっていることがあり、調理前に包丁で押し出すと黒っぽい水が出てくる場合があるそうです。

 

おそらくそれを食べてしまったとしても火が通っていれば重篤な症状は出ないでしょうし、前処理はきちんとされていると思うので食べても問題はなさそうです。

 

が、もし知らず知らずのうちに汚れた水ごと食べてしまっているとしたら良い気分はしませんね。

 

エビのしっぽに含まれる栄養素

 

 

ここまでの説明で嫌なイメージが先行してしまったかもしれませんが、エビのしっぽを食べることで得られる良い効果も驚くほどたくさんあります。

 

ここではエビのしっぽに多く含まれる、体に良い影響をもたらす成分とその効果についていくつかご紹介いたします。

 

①カルシウム

言わずと知れた栄養素「カルシウム」。

 

エビのしっぽにはこのカルシウムが豊富に含まれており、骨や歯を丈夫にしたり、骨粗しょう症の予防になったりもします。

 

成長期の中高生にはぜひ摂ってほしい栄養素のひとつですね。

 

脳神経の興奮を抑えて、イライラを抑制することでも有名です。

 

また血管や筋肉などの活動にも大きな影響を与え、高血圧や動脈硬化を予防することもわかっています。

 

②キチン質

先ほどもご紹介しましたが、エビのしっぽには「キチン質」という動物性食物繊維も豊富です。

 

消化されづらいという欠点はあるもののこの物質には血中の悪玉コレステロール値を下げたり、ナトリウムや塩素を体の外に出して血圧を下げたり、ウイルスなどの異物を排除する働きを助け免疫力を高めたり、なんと脂肪吸収を抑える効果まであるということです。

 

これだけの恩恵があるうえに、人工皮膚や手術用縫合糸などの医療材料にも利用され役に立っているありがたい成分です。

 

③アスタキサンチン

βカロチンやリコピンなどと同じくカロテノイドの一種で、エビの赤い色素のもとになっている栄養素です。

 

エビのほかにサケ、イクラ、カニなど主に海でとれる赤い食材に多く含まれます。

 

アスタキサンチンはこれらの生物が紫外線の悪影響から身を守るために持っている天然成分で、これにより紫外線を浴びて溜まる活性酸素を除去し、シミやしわが増えるのを予防する効果があるそうです。

 

なんとその効果は、抗酸化作用で有名なビタミンC6000倍というから驚きです。

 

さらにパソコンやスマホを多く使う現代人の眼精疲労にも効果があり、多くの眼科医からも支持されているほどだそうです。

 

しっぽを食べる派と残す派の割合

 

 

調理する人にとっていろいろな意味合いがありそうなエビのしっぽですが、消費者側の扱い方も様々です。

 

「食べるなんて考えたこともなかった」「しっぽは硬いから食べない」という人もいれば、「香ばしい味が大好きで必ず食べる」「残した人のぶんまで食べる」という人もいます。

 

どちらかと言うと食べる人のほうが少数派なイメージがありましたが、ある企業が行ったアンケートでは残す人の割合は55.7%、食べる人の割合は44.3%と残す派のほうが若干多いものの大体半分くらいに分かれるというデータが出ています。

 

ちなみに、いつもは食べているという人もお店の雰囲気や一緒にいる人によってはなんとなく恥ずかしく、残してしまうということもあるそうです。

 

まとめ

・エビのしっぽを付けたまま調理するのは「見た目を良くするため」というのが有力ですが、他にも「尾頭付きの名残り」「鮮度確認のため」「揚げ物など衣をつけるときの持ち手」など様々な説があります。

 

・エビのしっぽを残す人と食べる人の割合はだいたい半分ずつくらいに分かれます。

 

・エビのしっぽに毒はありませんが、消化不良を起こしたり、内臓を傷つけたり、汚れた水分が溜まっている可能性などがあります。

 

・エビのしっぽにはカルシウム、キチン質、アスタキサンチンなどの栄養素が多く含まれおり、体に良い効果もたくさんあります。