お忙しい中、子育てお疲れ様です!
出産前は楽しみにしていた赤ちゃんのお世話。いざ始まるとさあ大変!こんなに疲れるなんて・・・
さて、疲れてくるとつい食べたくなってしまうのが、チョコレート。
女性は特に好きな人、多いと思います。
育児疲れに自分へのご褒美。チョコレートが食べたい!でも授乳中だと食べない方が良いのでしょうか?
今回は授乳中のチョコレートの摂取について、詳しく解説していきます。
目次
チョコレートの成分
チョコレートは、カカオ豆を焙煎して酸味を飛ばし、すりつぶしたものにココアバター・ミルク・砂糖などを混ぜ合わせて作ります。
カカオ豆には約55%の油脂が含まれているため、すりつぶした時点でペースト状になります。
これをいわゆる「カカオマス」と呼びます。
チョコレートの効能
カカオポリフェノールをご存知ですか?
赤ワインでよく知られるポリフェノール。細胞の老化を抑制する働き、いわゆる「抗酸化作用」を持つことで知られていますが、実はカカオ豆にも含まれています。
カカオ分72%含有のチョコレートでは、1枚で約127mgのカカオポリフェノールが含まれています。
カカオポリフェノールは水に溶けやすい性質があるため、少量ずつこまめに摂取するとよいとされています。
ちなみに、1日200~500mg程度を数回に分けて摂取すると健康効果が得られるそうです。
カカオポリフェノールの健康効果
・血管内の炎症を改善し、血管を広げる作用があります。
・悪玉コレステロールの酸化を抑え、善玉コレステロールを増やし、動脈硬化を予防します。
・紫外線による肌の酸化を抑え、しみやそばかすなどの肌ダメージを予防します。
また、カカオ豆には植物中に含有される天然の化学物質で、テオブロミンと呼ばれるものが豊富に含まれています。
これがチョコレートの苦み成分です。テオブロミンは、カフェインと同様のキサンチン誘導体と呼ばれるものですが、カフェインとは効果の現れ方が若干異なります。
作用としては、血管を広げて血液の循環を促進し、体温を上げます。つまり代謝が良くなります。
また、脳内物質のセロトニンに働きかけて、食欲を抑え、リラックスさせる効果があります。
さらに、チョコレートに含まれるカカオバターには、虫歯菌の一種の連鎖球菌の働きを抑制する作用があるのです。
実はチョコレートっていいことが多いのですね。
授乳中のチョコレートが要注意な理由
①カカオマスにはカフェインが含まれている
カカオマスの原料となるカカオ豆には、産地や品種によって違いはあれど、その重量の約0.9~1.7%のカフェインが含まれています。
先ほど述べたテオブロミンもカフェインと同様と考えて良いでしょう。
チョコレートのカフェイン量は、カカオ成分の含有率に比例します。
通常ミルクチョコレート50gのカカオ成分含有率が35~40%なのに対し、ハイミルクチョコレートだと30~40%とやや少なくなります。また、高カカオチョコレートだと70%以上のカカオ成分が含まれます。
つまり、それだけカフェインの含有率も高くなる、ということになります。
②カフェインを摂りすぎるとどうなる?
大人がカフェインを摂取した場合、血液中のカフェイン濃度は5時間程度で半減するのに対し、新生児ではおよそ100時間、生後3~5か月の乳児で14時間かかります。
カフェインが赤ちゃんの体内に多量に入ると、興奮して落ち着きがなくなり、寝つきが悪くなります。
また、乳幼児突然死症候群の発症率が高くなることが分かっています。
赤ちゃんだけでなく、お母さんにも影響が及びます。カフェインの利尿作用によりお母さんが脱水状態になり十分な母乳が作られなくなること、お母さんの貧血を悪化させることがあります。
カフェインを含む食品や飲料はコーヒーやチョコレートだけではありません。
紅茶や緑茶にもたくさんのカフェインが含まれています。
チョコレートだけだとわずかな量でも、摂り方次第では過剰摂取になることがあります。
十分注意して適度に息抜きしましょう。
③授乳中にカフェイン摂取量
授乳中のお母さんがカフェインを摂取すると、その約1%が母乳を介して赤ちゃんの体内に入ると言われています。
つまり、1杯150mlに約90mgのカフェインを含むコーヒーを飲むと、母乳に約0.9mgのカフェインが移行することになります。
しかし、コーヒー2杯程度のカフェインなら赤ちゃんに悪影響は及ばないと言われています。となると、約180mgまでのカフェインは摂取しても問題ないということになります。
ある大手メーカーより発売されているミルクチョコレートは、1枚(50g)でカフェイン含有量がコーヒー1杯分の約1/6程度だそうです。
また、ホワイトチョコレートだとカカオマスを使用しないため、カフェインは含まれません。
コーヒーに比べるとかなり少ないチョコレートのカフェイン、あまり気にせず食べても問題はなさそうです。
④糖分や脂肪分の摂りすぎにも注意
ご存じチョコレートには糖分や脂肪分が多く含まれています。糖分や脂肪の摂りすぎは、産後太りの原因になるだけでなく、乳腺炎の原因にもなりますので、摂りすぎには十分注意しましょう。
また、高カカオチョコレートはカカオ豆の含有量が多くなるため、カカオ豆由来の脂肪分が多くなりますので、ご注意ください。
授乳中は疲れてよく眠たくなります。
チョコレートに含まれるカカオバターは虫歯菌の抑制効果があると述べましたが、先述の通り糖分もたくさん含んでいます。
食べてそのままついうたた寝すると、結局は虫歯になりやすくなるので十分気を付けましょう。
アルコールの入ったチョコレートはダメ?
アルコールは赤ちゃんに以下のような影響を及ぼします。
赤ちゃんへの影響
・授乳量が減少する可能性(アルコールが母乳に移行し、味や匂いに変化が出るため)
・下痢(胃腸に負担をかけてしまうため)
・成長の妨げ(アルコールが体内に入った際に分解されて発生するアセトアルデヒドという有害物質が細胞を傷つけてしまう)
・急性アルコール中毒(そもそも赤ちゃんは肝臓が未発達のため、アルコールをほとんど分解できず、少量でも血中濃度がかなり上昇するため)
・飲酒量が増えてくると、けいれん発作や極度の肥満が起きることもある
また、授乳中のお母さんにもこんな影響が・・・
お母さんへの影響
・母乳分泌量の低下(長期に渡りアルコールが体内に入ると、乳汁分泌ホルモンであるプロラクチンの分泌量が低下するため)
※母乳分泌量にはお酒の種類も関係していて、大麦やホップなどを多く含むビールでは逆にプロラクチン分泌量が増え、母乳量が増えるというデータもあります。
しかし、チョコレートに含まれるアルコールは、ふつうに飲むよりはるかに少ない量ですよね。
実は、アルコール含有量0.5%程度であれば母乳に影響はありません。
たとえば洋酒の風味のあるゼリーでは、約0.1~1%未満、焼き菓子であれば製造工程で加熱することでアルコールが飛ばされ、濃度がほぼ0になるので問題ありません。
含まれていたとしてもかなり微量です。
ところが洋酒入りのチョコレートやラムレーズンを使用しているお菓子は、商品により差はありますが、アルコール含有量が1%を超える場合があります。
とくにネットで販売されているような高級チョコレートは含有量が多いことがあるので、成分表示や注意書きなどをよく読んでから判断しましょう。
なるべくならお酒を飲んだときと同じように授乳感覚をしっかり空けたほうが無難ですね。
チョコレートを食べすぎなための工夫
1つ食べだすとついつい2つ3つ・・・と手が伸びてしまいがち。
これまで述べてきたように、少しずつ食べたらいいんだ!と頭では分かっていても、体は欲しがっている!悩ましいところです。
では、チョコレートを食べ過ぎないようにどのように工夫したらいいでしょうか。
食べ過ぎないための工夫
◉一度にたくさん食べず、数回に分ける
この方法は、カカオポリフェノールによる健康効果を活かすためにもベストな摂取方法です。
◉1つ食べたら歯磨き粉で歯磨きする
歯磨き粉に含まれるミントの香料は、食欲を抑える働きがあります。また、歯磨きすることで食べることを一旦ストップするという意識づけにもなります。
◉目につくところに置かない
見えてしまうと欲しくなってしまうので、最初から視界に入れないという方法もあります。
◉ノンカフェインのコーヒーやミルクティなどで紛らわす
風味だけでも気分を紛らわせることは多少はできます。
◉しっかり睡眠をとる
母乳の量を増やすという意味でも大事ですが、睡眠不足は食欲を亢進してしまうのです。
まとめ
・チョコレートに含まれるカカオ豆には、ポリフェノールやテオブロミンなどの体に嬉しい成分が含まれている
・チョコレートの健康効果を活かすためには、「少しずつ数回に分けて摂取」を心がける
・チョコレートにはわずかにカフェインが含まれているが、赤ちゃんに大きく影響しない
・カフェインは摂りすぎると母乳にも赤ちゃんにも影響するため、過剰摂取には注意する
・また、食べ過ぎるとチョコレートに含まれる糖分や脂肪分の影響で太りやすくなるので注意する
・お酒を使ったチョコレートに含まれるアルコール食べた場合は、授乳間隔をしっかり空けるのが良い
・体にいいこといっぱいと言えど過剰摂取は要注意!工夫して食べ過ぎないように気を付けよう
おいしく上手に食べて、ストレス少なく楽しい育児ができまように♪