アスパラガスが店先に並び始めると春の訪れを実感しますね。
アスパラガスには子どもから大人まで好きなメニューが多く、鮮やかな緑色と適度な歯ごたえには食欲がどんどん湧いてきます。
緑黄色野菜としてもともと栄養価の高いアスパラガスですが、近年では特有の健康成分も発見され、旬には食卓に積極的に取り入れたい食材のひとつです。
ただ、そんなアスパラガスも食べ過ぎてしまうと良くないことがあるのをご存知でしょうか?
今回はアスパラガスの食べ過ぎによる影響とその対策、適正量をご紹介していきます。
目次
アスパラガスの食べ過ぎによる影響&対策
①食べ過ぎによる肥満に注意!
アスパラガスは100gあたり(約4本)22kcal、糖質2.1gです。
ともに低めの数値で、太りにくい食材です。
ただ、ここで気をつけたいのが調理方法。普段どんな風に料理するかが重要になります。
例えば、バター炒めや、ベーコン巻き、そして茹でたアスパラガスにたっぷりのマヨネーズやオイル入りのドレッシングをかけて食べてはいないでしょうか?
油分と一緒に食べるとおいしいですし、外国の野菜とあって洋風な調理方法に頼りがちですと、気付かないうちにカロリー&脂質オーバーになってしまいます。
そうなるとやはり太ってしまうでしょう。
⇒肥満を防ぐ対策
肥満を防ぐ対策は以下の2点になります。
肥満対策
- シンプルに食べる
- 油の使用を抑えた調理を心がける
肥満を防ぐには、シンプルな調理法で、できるだけ油を使わずに食べるのがおすすめです。
低カロリーと低糖質を生かしてヘルシーに仕上げましょう。
次のような調理例を参考にしてみてください。
- 茹でて和風のおひたしに、またはノンオイルドレッシングを用いたサラダにする。
- 電子レンジでスチームして少量のオリーブオイルと塩をかけて食べる。
- 小口切りにして野菜スープの仕上げに入れ、さっと火を通して食べる。
- 塩茹でし、マヨネーズではなく半熟の茹で卵をソース代わりにかけて食べる。
②食べ過ぎによる臭い尿や強烈なおならに注意!
アスパラガスを食べた後に、独特の臭いの尿が出たと感じる人もいるかと思います。
これはアスパラガスに含まれる化合物「アスパラプチン」が原因です。
消化分解される過程で硫黄を含む物質に変化し、臭いを含んだまま尿となって排泄されるのですが、その臭いの成分は、スカンクのおならと同じだそう!
また、アスパラガスはオリゴ糖の一種「ラフィノース」も含んでいて、人間にはこれを分解する酵素がありません。
ラフィノースは未消化のまま大腸まで運ばれ、腸内細菌のえさになり、やがては腐敗臭のするガスの原因となってしまいます。
アスパラガスを食べ過ぎると、これらの臭いが増すことにつながります。
⇒尿やおならの臭いを防ぐ対策
尿やおならの臭い対策は以下の3点になります。
臭い対策
- 水分を多めに取る。
- ラフィノースを含む他の食材を同時に食べ過ぎないようにする(玉ねぎ、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワーなど)。
- 不溶性食物繊維が多い食材を同時に食べ過ぎないようにする(豆類、きのこ、ごぼう、玄米など)。
尿の臭いを防ぐ対策は残念ながらなく、ほんの少量を口にしただけでも、臭います。
ただ、たくさん食べれば食べただけ利尿作用とあいまって尿の量も増えるため、やはり食べるのは適量に留めておくのがよいでしょう。
すべての人がこの臭いを嗅ぎ分けられるわけではないため、自分では尿の臭いに気付かないこともあります。
そして、おならの臭いを防ぐには、できるだけ未消化物が腸内に滞留する時間を減らすことが必要です。
食べ過ぎに気をつけるとともに水分を十分に摂ってお通じを滑らかにし、ガスを作りやすい食材を同時に食べ過ぎないよう心がけてみてください。
③食べ過ぎによる腹痛、下痢、お腹の張りに注意!
アスパラガスに含まれる糖分の「フルクタン」は、体質や過剰摂取によって、小腸で消化吸収しきれないことがあります。
すると、腸内濃度を薄めるために水分が過剰分泌されるうえに、大腸で細菌のえさになって急激に腐敗が進みます。
その結果、腹痛やお腹の張り、下痢が引き起こされてしまいます。
⇒腹痛、下痢、お腹の張りを防ぐ対策
腹痛、下痢、お腹の張り対策は以下の3点になります。
腹痛・下痢・お腹の張り対策
- 適量よりもさらに少量を食べて様子をみる。
- フルクタンを含む他の食材を同時に食べ過ぎないようにする(ラッキョウ、玉ねぎ、小麦、わけぎなど)
- 味噌など腸内細菌の働きをよくする食材とともに食べる。
腹痛、下痢、お腹の張りを防ぐには、何よりも食べ過ぎに気をつけてください。
特に腸の弱い人は少量で様子を見るようにするのがよいでしょう。
また、フルクタンを含む他の食材にも気をつけて、過剰摂取にならないよう注意が必要です。
腸内細菌の働きを整える食材と併せれば予防や症状の緩和を期待することができます。
アスパラガスの1食当たりの適正量
1回に食べるアスパラガスの量は、2~3本が適切です。
農水省が掲げる1日の野菜の摂取目標は350gで、1皿に70gの野菜を使った小鉢を5皿食べることが目安となっています。
アスパラガスは1本25g~30g程度ですので、1食あたり2~3本を限度に体調に合わせて調整してみてください。
適正量を守れば栄養満点!栄養と効能について
日光を浴びて育つアスパラガスは、緑黄色野菜の健康成分をたくさん含んでいます。
食べ過ぎに気をつければ、次のような栄養を摂取することができます。
効能とともに見てみましょう。(※数値は100gあたりです)
①カリウム 270mg
過剰なナトリウムを排出し、浸透圧を調整するミネラルです。
塩分の摂り過ぎに効果があります。
②βカロテン 370μg
体内でビタミンAに変わる色素成分で、抗酸化力があります。
皮膚や粘膜を保護したり、ターンオーバーを促して再生させたりする作用があります。
③ビタミンB1 0.14mg
ブドウ糖をエネルギーに変換する際に必要な栄養素です。
④ビタミンK 43μg
血液を凝固させるのに役立つほか、カルシウムを骨に沈着させ丈夫な骨を作る作用があります。
⑤葉酸 190μg
赤血球の生産を助けるほか、細胞の生産や成長に関わる栄養素です。
⑥アスパラギン酸
アミノ酸の一種で、肌の新陳代謝を高め美肌効果があり、乳酸を分解して疲労回復にも役立ちます。
また、アンモニアを尿として排出する作用があり、肝臓を守る効果があります。
アスパラガスから発見されたのでこの名前があります。
⑦グルタチオン
アミノ酸の一種で、抗酸化力が高く、肌の老化を防止したり細胞の代謝を高め疲労を回復したりする作用があります。
⑧アスパラプチン
アルギニンとアスパラガス酸で構成される化合物で、血圧を下げる効果が実証されています。
まとめ
今回は、アスパラガスの食べ過ぎによる影響と対処法、適正量についてご紹介しました。
まとめ
✔ 肥満に注意
⇒シンプルに調理し、調理の際の油分の摂りすぎに気をつける。
✔ 尿やおならの臭いに注意
⇒食べ過ぎに気をつけ、水分を多く摂る。臭いのもととなるラフィノースや不溶性食物繊維を含む他の食材を同時に食べ過ぎない。
✔ 腹痛、下痢、お腹の張りに注意
⇒食べる量を適量よりも少量にして様子を見る。フルクタンを含む他の食材の食べ過ぎにも気をつけて、整腸作用のある食材と併せて食べる。
✔ 適正量は1食あたり2~3本。
いかがでしたでしょうか?
おいしくて栄養価も高いアスパラガスですので、1度に大量に食べるのではなく、適量を守って賢く健康的に食べて旬を通じて楽しんでくださいね。