【のっこりの意味】北海道の方言!!正しい使い方を例文とともに紹介!

 

『のっこり』という単語を聞いたことがありますか?

 

今回は、謎の単語のっこりとはどんな意味なのか?どんな時に使えばいいのかなど、例文を交えながらのっこり紹介していきます。

 

目次

のっこりの意味

 

 

まずは、のっこりという単語は何を意味するのかについて。

 

北海道で使用されている方言ですが・・・

 

その意味は「たくさん・いっぱい」など、量が多いことを示す方言です。

 

また、【のっこし】という言葉がありますがこちらも同じ意味の方言で、やはり北海道・東北の一部地域で使用される方言です。意味が全く同じで非常に似ている事から、どちらかがベースとなり伝わっていくうちに変化した同じ言葉であると推測されます。

 

別の意味の『のっこり』もある

 

 

調べていくと、まったく意味が異なる「のっこり」も存在する事が判りました。

 

例えば・・・縁側で、猫がのっこり日向ぼっこをしている。

 

こちらの「のっこり」は、「のほほんと・のんきに」「ゆっくりと・ゆったりと」という意味があります。

 

現在は、ほとんど使われる事がなくなってしまった言葉ですが昭和40年頃を中心に、全国的に使用されていたので、当時を考えると標準語と言っても差支えなさそうですね。

 

気になる意味ですが、全く違います。

 

このような使い方ですが、北海道の方言と混同すると意味が全く変わってしまいます。

 

現在は、のほほんの意味で使用される「のっこり」はほとんど使用されていないので、万が一「のっこり」という言葉を聞く機会があった際は、「たくさん・いっぱい」の意味である可能性が高いですが、文脈などからどちらの意味かを判断しましょう。

 

のっこり例文どっちでSHOW

 

 

さて、先ほど文脈から2つの意味がある「のっこり」を判別すべきと述べましたが、実際にいくつか例文を作りました。

 

どちらの意味の「のっこり」なのか判るでしょうか?

例文1

入道雲が、のっこり雲が流れている

例文2

✔ 大きな石を持ち上げたら、のっこり虫がいてびっくりした。

例文3

✔ これほど忙しいのに、彼はのっこりしていて腹が立つ。

例文4

釣りに行ってきましたが、のっこり魚が釣れました。

 

いかがでしょうか?

 

例文1は意味としてはどちらも通りそうですが、入道雲という単語からゆったりとした、のほほんと、という意味が当てはまりますね。

 

例文2は、びっくりしたと言っているのでたくさん・いっぱい居たと判別できます。

 

例文3は人物を表しているのでのほほんとしたのっこりですね。

 

例文4はたくさんの意味ですね。

 

このように、文脈からある程度どちらの意味で「のっこり」が使われているかは判断できそうです。

 

大きな問題は、そもそも聞く機会があるか・・という点ですが。

 

他の地域での「のっこり」はのっこりある

 

 

「たくさん・いっぱい」を意味する方言は各地でそれこそのっこり(たくさん)あります。

 

所変われば言葉も変わる。いっぱいという意味を表す各地の方言をご紹介します。

 

①ふだ(ふだに)

主に、茨城以北で使用される方言です。

 

野菜がふだにあっから、ばんげは野菜炒めにでもすっぺ

(野菜がたくさんあるから、晩御飯は野菜炒めにでもしよう)

 

②ようけ(ようけー)

関西地区でつかわれる方言です。

 

この公園はようけ鳩がおるな

(この公園は沢山鳩がいる)

 

③たんと

宮城や京都、大阪など全国的に広く使われる方言

 

んめぇからたんとあがらいん

(美味しいから、たくさん食べなさいね)

 

④ばさろ

熊本で使用される方言。

 

明けん空にゃ鳥がばさろ飛ぶ

(明けの空には鳥がたくさん飛ぶ)

 

⑤ばんない

沖縄の方言。

 

⑥ウホーク

沖縄方言。現在は沖縄でも使われる頻度は低い。

 

 

他にもまだまだのっこりありますが、珍しい方言やよく聞く方言を中心にいくつか挙げました。

 

TVなどの影響もあり、関西弁でもあるようけなどは聞き馴染みがある方言ですね。その一方で、ふだやばさろは聞き馴染みがなく意味を知らないと判りませんよね。

 

沖縄方言は難解なものが多いイメージが強いですが、地域を問わず方言は難しいです。

 

標準語を基準にして予測しても全く想像だにしない意味である事が多いですからね。

 

そもそも方言というものはなぜ生まれたのか?

 

 

方言は、全国各地に数多く存在しています。

 

同県、同地域であってさえ海側では使うけれど街では使わない言葉さえあります。一体、方言は何故生まれたのでしょうか?

 

学術的な解説を交えながら簡単に考察していきましょう。

 

方言の成立理由は主に2つ

 

①都から伝播

 

 

全ての言葉には、当たり前ですが「始まり」があります。

 

犬を誰がイヌと名付けたのか?猫を誰がネコと言い始めたのか?

 

それは誰にもわかりませんし、諸説ありますがどれが正しいのかを正確に知る事もかないません。

 

ちなみに、犬は気が付くともう居ぬから。猫は寝転んでばかりいるから。などの説がありますが、正確な語源はほとんど解明されていません。

 

比較的新しい言葉であれば、正確な語源は判りますが古くからある言葉になればなるほど語源を正確にしる人は存在しないのです。

 

この事実をまずは念頭に置いて下さい。

 

さて、まずは都から伝播していった事が方言発祥の一つと考えられています。

 

人が多く集まる場所、文化の中心地などで新しい言葉は生まれます。その言葉が、地方へと伝播していくわけですが伝言ゲームのように変化を遂げて伝わっていきます。

 

そして、産まれる言葉があれば消える言葉もあります。つまり、都で産まれたものの消えてしまった言葉も数多くあったと推測されています。

 

ところが、地方では言葉が消えたよ!という事は伝わっていきません。

 

伝わった言葉を、消えてしまった言葉と知らずにそのまま使い続ける訳です。

 

人伝いに、言葉が都から広がっていくと一言で言っても現在と違い交通の利便性が悪かったので、地方に言葉が届いた頃にはすでに新しい言葉が都で産まれていたかもしれません。

 

イメージで言えば、水面に水滴が定期的に落ちている状態です。

 

ポチャリ、と言葉が産まれると波紋が広がっていきます。波紋が伝わりきる頃にはまた新たな水滴がポチョン。このようにして様々な言葉が産まれ落ちては拡がっていきました。方言発祥の大きな理由の一つは都から、波紋のように広がった言葉の湾曲伝播が起因していると、研究者の多くは考えています。

 

②地方自治の独立性

 

 

日本という国は、歴史を見ても判るように最初から国家としてまとまっていたわけではありません。

 

むしろ、国家として一つになった歴史は非常に浅い国と言えます。

 

知っての通り、統一国家として日本が出来たのは明治以降です。

 

それまでの日本は、各地域がそれぞれ「くに」として独立体制を取り独自の文化が発展していました。

 

それぞれの「くに」は排他的であり、それらの「くに」の中でだけ使用される独自の言葉が産まれた場合に方言が産まれます。

 

都からの伝播とは異なり、これらの「くに」で産まれた言葉はその排他的な性質から、周りの地域へと伝わらず、その地域だけに限定されて使用された言葉になりました。

 

この事が、近い地域であるにも関わらず全く使用されない方言が創り出された原因であると考えられています。

 

簡単にではありますが、現在考えられている方言発祥についての学術的観点をご紹介しました。

 

もちろん、2つの理由だけでなくもっと複合的な発生要因が複雑にからみあった事で生じた方言も数多く存在すると考えられているので、一概には言えませんが方言がどうして産まれたのかを辿っていくと、色々なドラマが隠されていそうでロマンがありますよね。

 

まとめ

・のっこりは2つの意味がある。

・北海道方言は「たくさん・いっぱい」。

・全国的に使われていたのっこりは「のほほんと・のんきな・ゆっくりと」。

・地域ごとで方言は多種多様。

 

いかがでしたでしょうか?

 

のっこり書いていきましたが、方言には標準語にはない味わいがありますよね。

 

くにの言葉を理解してもらうことは嬉しく感じるものです。

 

北海道出身の方と接する際に、のっこり談義をすると親密度が増すかもしれませんよ?