ダイエット・美容食品・健康に良いなどなど、チアシードと聞いて思い浮かべるのは高い効果のあるスーパーフードというイメージですよね。
事実、少量でも高い栄養価を持ち満腹感を得られるスーパーフードのチアシードですが果たして健康に良いからと食べ過ぎても良いのでしょうか?
今回は、チアシードを食べ過ぎると体に悪影響を及ぼすのか?適量はどの程度なのか?また、改めてチアシードそのものについても詳しくご紹介していきます。
目次
そもそもチアシードとは
スーパーフードとして近年ブームとなったチアシードですが、そもそもチアシードとはどういった食べ物なのでしょうか?
チアシードとはその名の通り、チアという植物の種子です。チアの種だからチアシード、そのままですね。
チアは学名をSalvia hispanicaと言い、シソ科ミント系サルビアの植物です。
原産地はメキシコ中部でチアという名称はアステカ時代の言語であるナワ語chianが由来で元々は“油性の~”という意味の言葉です。
また、古代マヤ語ではチアは“強さ“力”を意味しています。まさに、“力強さの種”と呼ばれる程のスーパーフードとして古来より親しまれてきた食べ物と言えますね。
チアシードの栄養素
力強さの種と称された理由として、チアシードに含まれる高い栄養素が挙げられます。
チアシードには、食物繊維をはじめとして美容に効果があるとされるαリノレン酸やアミノ酸、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルも豊富とまさにスーパーフードと呼ばれるにふさわしい豊富な栄養素を含みます。
ダイエット効果として着目された理由は、チアシードの特徴にあります。
チアシードは水を含むと膨れ上がる性質を持っています。なんと、水を含んだチアシードは10倍程にまで膨れ上がります。
この時チアシードはジェル状の物質をまといながら膨らむのですが、ジェル状物質の正体は水溶性の食物繊維グルコマンナン。少量で膨らみ、食物繊維も多く摂れることこそダイエット食品として効果を発揮する理由なのです。
チアシードの食べ過ぎによる影響
スーパーフードのチアシード。食べ過ぎてしまうと、体にはどのような影響を及ぼすのでしょうか?
①下痢
冒頭でもご紹介した通り、チアシードは多くの食物繊維を含みます。この食物繊維の取り過ぎは下痢を引き起こす事があります。
食物繊維と言っても、実は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分別できます。
チアシードから摂取できる食物繊維は水溶性食物繊維であるグルコマンナンです。水溶性食物繊維は、体内の有害物質を排出する効果があります。
元々は、胃腸にとって非常によい働きをしてくれる水溶性食物繊維ですが、過剰摂取によって下痢を引き起こしてしまう事があります。
②腹痛
上記でご説明したように、チアシードの過剰摂取は下痢を引き起こす事があります。
下痢になってしまった場合、腹痛を伴う事がある為チアシードの食べ過ぎによって腹痛を起こす可能性も十分考えられる影響です。
③便秘
チアシードの過剰摂取によって、便秘になるとは考えにくいと言えます。
体質や、元々便秘がちの方などはなんらかの理由で悪化する場合も考えられなくはありませんが、基本的にはチアシードの過剰摂取による便秘はほとんど起こりません。
その理由は、チアシードから摂取する食物繊維の種類が関係してきます。前述の通り、食物繊維は大きく分けると水溶性と不溶性に分けられます。
同じ食物繊維でも、この二つは効果が異なります。
どちらの食物繊維も腸を整える作用があるのですが、水溶性食物繊維と違い不溶性食物繊維は便量を増やす、便を硬くするという作用があります。
不溶性食物繊維を過剰に摂取した場合は、便秘を引き起こす可能性は高いのですがチアシードは水溶性の食物繊維なので、過剰摂取によって下痢は起きても便秘を引き起こす要因としては考えにくい、となるのです。
④逆に太る
そもそも、チアシードの過剰摂取と言っても味はほとんど無く水で膨らませてから食べる事が多いのでどれほど食べるのか?という疑問はあるのですが、チアシードは少量だからこそダイエットに効果がある食品です。
実は、チアシードは非常にカロリーが高い食品です。たった100gのチアシードを摂取した場合のカロリーは実に約500キロカロリー。
白米100gのカロリーが168キロカロリーである事を考えれば、チアシードがどれほど高カロリー食品であるかという事が判るでしょう。
そもそも、チアシードをそれほど多量に食す機会があるのかは判りませんが、過剰に摂取し続ければ逆に太ってしまうという事は十分考えられます。
チアシードの一日の適正量
チアシードを過剰摂取しない為には、どの程度を目安として食べればいいのでしょうか。
一日に食べる分量として適量とされるチアシードの分量は一日当たり10~15g程度。
たったそれだけ?!とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、毎日少量を食べる事こそが、スーパーフードとしての高い効果を実感する為には大事です。
たった10gの分量が、水を含む事で約100gに増える事が満腹感に繋がります。少量で満腹感を得て、食べ過ぎを防止する上に食物繊維を多く含むチアシード。これこそがダイエットに効果を発揮する正しいチアシードの摂り方なのです。
また、少量であっても冒頭でも説明したようにアミノ酸群やαリノレン酸、さらにはミネラルを豊富に含んでいる為、ある意味「総合栄養補助サプリ」感覚で毎日摂ると日々の健康維持に高い効果を発揮するのです。
スーパーフードとして期待される効果を発揮させるには、毎日コツコツと少量づつ摂取する事を心がけましょう。
チアシードの効果的な摂り方
スーパーフードとして注目され、ブームを巻き起こしたチアシードですが実際に食べようと思うと難しいと感じる事はないでしょうか?
そもそも、チアシード入りのジュースやスムージーはコンビニなどでもよく見かけるようになりましたが、それらを毎日買い続けるとなると中々な出費になってしまいます。
そこで、最後はせっかくの美容効果やダイエット効果を見逃すには惜しいチアシードの効果的な摂り方についてご紹介致します。
①基本的な食べ方
チアシードは昨今、スーパーなどで売られているのを目にする機会も増えてきました。
基本的な食べ方は「水で戻してから」使う食べ方。
この戻す時は、お湯で戻したくなりがちですが「水」で戻す方が良いです。10分程度で膨らみます。
何故、水で戻す方が良いのかというとチアシードに含まれる栄養成分には熱で壊れてしまう成分もある為。
水で戻す事で、チアシードに含まれる栄養素を壊すことなく摂取する事が出来ます。戻したチアシードをヨーグルトなどに混ぜ込み食べる方法などが基本的な食べ方です。
ダイエット効果を期待してチアシードを食べたい方は、水で戻して食べると良いでしょう。少量でも満腹感を得られるので、食べ過ぎを抑えると共に摂取カロリーも抑えられます。
②ローストチアシードを利用する
チアシードには、焙煎されたローストチアシードというものもあります。
見た目は、なんとなく黒ゴマみたいなローストチアシードですが使い方も黒ゴマみたいに使います。いつものおかずにパラパラっとローストチアシードを振りかけて、あとは普通に食べるだけ。
チアシード自体、ほとんど味が無いので焙煎された事によるほのかな風味とわずがな苦味だけ。苦味と言っても、気にならない程度なので手軽にチアシードを摂れる方法としておすすめですよ。
ただし、注意が必要な点として食べやすいからと毎食時振りかけて大量に摂取するのはNG。いつのまにか、過剰摂取となり思いがけず一日の摂取カロリーが多くなってしまいます。
目安である10~15gを意識して振りかけて使うと良いでしょう。
まとめ
・チアシードを食べ過ぎると下痢や腹痛を起こす可能性がある。
・チアシードはスーパーフードと呼ばれるだけの栄養価を含んでいる。
・ダイエット目的なら水で戻して使う。
・毎日食べるには振りかけて使うと摂りやすい。
・適量を摂り続ける事で、健康維持や美容に効果が期待できる。
いかがでしたでしょうか?
チアシードを過剰に摂取する、という状況はあまり無いかもしれませんが海外では水で戻したチアシードを大量に飲んで窒息死するという事件も起きています。
スーパーフードと言えど、1食品ばかりを食べ過ぎるのは栄養学的にも健康によくありません。
しかし、高い栄養価や普段の食事では摂りづらい栄養素を含むチアシードは体にとって良い食物である事は間違いありません。
賢くチアシードを摂って、ダイエットや美容、健康維持に役立てましょう。