定期的にタイヤの確認はしていますか?
タイヤは消耗品なので、放っておけばどんどん劣化していってしまいます。
「走れているんだから大丈夫なんじゃない?」なんて気楽に考えていてはダメですよ。知らない間に劣化が進めば、いずれはパンクの危険性が…。
まずは、タイヤにひび割れがあるかないかチェックしてみましょう。もし、あったら…それ、危険サインかもしれませんよ。
今回は、バイクタイヤのひび割れについてご紹介します。
目次
ひび割れの原因とは?
ひび割れの程度がそれほどひどくなくても、そこにひびがあれば、それは劣化している証拠となります。
タイヤのひび割れは、主に以下のようなことが原因となっています。
①空気圧不足
空気圧が低いと、タイヤのゴムがたわむため、ひび割れを起こしやすくなります。
タイヤは、車体を支えると共に、走行する際に直接道路から様々な衝撃を与えられる部位。
右に左に曲がるとき、止まるとき、様々な衝撃を受けてくれる大切部位ですので、空気圧不足はタイヤの変形を早めます。
変形ばかりしていれば、すぐにひびが入ってしまいます。
②荷重のかけすぎ
荷重がかかればかかるほど、タイヤはつぶれたような状態に変形します。
重い荷物を常に載せていたり、段差のある道を常に通っていたり、路肩に乗り上げたりと、荷重をかけすぎていませんか?
荷重のかけすぎもまたタイヤを変形させ、ひびが入り易い状態を作ります。
③経年劣化
タイヤ用のゴムは、普通のゴムと違って耐久性があるように作られていますが、どんなに丁寧に扱っていたとしても、やはり時間の経過と共に劣化していってしまいます。
劣化の度合いが早い・遅いは、そのバイクが置かれている環境(保管状況など)により変わってきますので、環境が悪ければ劣化も早まります。
ひび割れが原因で「バースト」の危険性も
(バーストした車のタイヤ 出典:Wikipedia)
タイヤのひび割れは、バーストを引き起こす原因になりやすいです。
バーストは重大事故に繋がる危険な現象。特にバイクの場合、事故を起こすと直接人体に影響がきますので、自動車に比べてその危険性は桁違いとなります。
命の危険性がかなり高くなってしまうため、バーストは避けたい現象です。
ただし、タイヤのひび割れがスグにバーストに繋がるわけではありません。
ひび割れの程度にも、軽度のものから重度のもとのいろいろありますよね。たくさんあっても、深さがない細かいひびであれば、まだまだ軽度なので心配ありません。
ただ、見た目だけで判断するのは非常に危険です。
中には、小さく浅そうな溝に見えても、指で押してみるとかなり溝が深いものもありますので、点検する際は、指で触りながらチェックした方がいいでしょう。
ひび割れもそのまま放っておくと、ひびではなく「亀裂」といったような状態になってきます。
ここまでくると、重度なひび割れです。すぐにバーストしてしまう可能性があるので、ここまできたらスグにタイヤ交換をしましょう。
いきなりバーストを起こさないためにも、ひびは軽度でも常にチェックしておくようにした方がいいですよ。
バイクタイヤのひび割れの補修目安や寿命
タイヤは走っているうちに、どんどん消耗しすり減っていってしまいます。
そのまま走っていると、いずれはタイヤのグリップ力が落ち、スリップしやすい状態になってしまうので注意が必要です。
そのようなことにならないためには、定期的にひび割れやタイヤの溝の深さをチェックが必要不可欠となります。
溝の深さは、タイヤにある「スリップサイン」で確認します。
溝の深さが浅くなってきたら、それが交換のサイン。
スリップサインといっても、タイヤに何かが書いてあるというわけではなく、タイヤの溝にある突起部分を指します。
タイヤがすり減り、この突起部分と同じ高さとなることが「交換のサイン」です。
また、タイヤには耐用年数というのがあります。劣化すると表面に柔軟性がなくなり硬化してスリップ事故などを起こしやすくなります。
一般的なタイヤの耐用年数は3年なので、これを目安にタイヤ交換をしましょう。
ただ、これもあくまでも目安なのでタイヤが置かれている環境により、ひび割れなどの劣化速度が早ければ、ここまで持たないこともあります。
3年ギリギリまでOKと考えるのではなく、定期的にメンテナンスして表面のひび割れなどを確認した上で判断してください。
ひび割れの補修方法
程度が軽いひび割れであればスグにバーストするとは考えにくいですが、スリップなどの原因となることもあります。
基本的に危険とみなされるのは、側面のひびではなく溝部分にあるひび割れ。ひび部分に、次のような衝撃が加わるとバーストする可能性が高まります。
✔ ひび割れ部分にガラスや小石・釘などが当たる
✔ ひび割れが何らかの衝撃によって破られる
タイヤのひび割れは、基本的には補修しようなどとは考えず、「交換時期がきたというサイン」と考え、なるべく早く新品に取り変えた方がいいです。
ただ、ひび割れもいちおう補修することもできます。
主な補修方法には、
・瞬間パンク修理剤
・加硫接着剤(ゴムを接着させる接着剤)
・リトレッド(新品のゴムに貼り返る再生タイヤのこと)
などがあります。
ただし、修理はあくまでも交換するまので応急処置として考えた方がいいでしょう。
補修しても、タイヤにひびが入っているという事実は変わりません。
必ず、近い時期に新品と交換することとし、いつまでもそのまま走らないようにしてください。
車検をタイヤ交換時期のタイミングに
「バーストは怖い。でも、タイヤ交換の目安がうまく掴めない」という人は、車検時にタイヤ交換してしまう…という方法で交換してしまってはいかがでしょうか?
基本、車検の保安基準として重要視されているのが「タイヤの溝」。
溝の深さが1.6ミリあるかどうか…というのが判断基準の一つで、側面のひび割れは重要項目に入っていません。
また、車検は、車検場・検査員次第というところもあるため、検査員が見逃したらそれまでの話…というところもります。
そのため、相当ひびがひどくない限りは指摘されない可能性が高いのですが、交換を希望すれば交換してくれます。
車検で交換を進められるときもありますので、その時は素直に交換すべきでしょうし、そうでなくても、これを機に交換してしまう方がいいのではないでしょうか。
ひび割れを防止するための対策
いつもいつもスグにダメにしてしまう…ではなくて、なるべくタイヤ寿命は長引かせたいものですよね。
ひび割れを防止することで、そこからくる他部位へのダメージを減らすこともできますし、タイヤの寿命を延ばすこともできます。
タイヤのひび割れ防止には、以下のようなことに気を付けて乗っていきましょう。
①空気圧のチェック
空気圧が低下しないように常に気を付けましょう。
正常な空気圧も、時が経てば徐々に減っていきます。
空気圧は、自分で入れることもできますが、ガソリンスタンドでも調整してもらうことができます。
ガソリンスタンドの店員さんに「空気圧みてもらえますか?」とお願いすると、すぐに対応してくれますので、ガソリンの給油の際に一緒に頼んでみるといいです。
(※空気圧のサービスを行っていないガソリンスタンドもあります)
②ガレージや車庫での保管
紫外線だけでなく雨や風、強い日差しなどからタイヤを守ることが、ひび割れの防止に繋がります。
なるべく屋根付きのガレージのような場所に保管して、決して野ざらし状態にならないよう気を付けてください。
どうしても、そのような場所での保管が難しければ、バイクにカバーをかけるなりして、できるかぎり外気から守ってあげるようしましょう。
③積載量を守る
荷重がかかり過ぎるとひび割れを引き起こしますので、なるべく「荒い運転をしない」「荷物(人)を載せすぎない」「荒い道ではなく平坦な道を選ぶ」などといったような状況で運転するようにしましょう。
タイヤに負担をかけないよう、丁寧に扱ってあげることがタイヤの寿命を延ばすことに繋がります。
まとめ
・ひび割れは、空気圧・荷重のかけすぎや経年劣化が原因。
・重度のひび割れはバーストを起こす危険性が高い。
・ひび割れは補修できるが、それでも早めにタイヤ交換した方がいい。
・自己判断が難しければ、車検時にタイヤ交換をしてしまおう。
・ひび割れを防止すればタイヤの寿命を延ばせる。
別に乱暴に乗っているつもりがなくても、ひび割れが起きていることはよくあります。
バーストしてしまってからでは遅いので、軽度なうちに見つけるのが重要となります。
バーストしてないからといっても、ひび割れを重度な状態になるまで放っておくのは、とっても危険な行為。
とりあえず、見るだけならたいした手間ではないと思われますので、乗る前などにちょっとチェックしてみてはいかがでしょうか?