ここぞという日用のお気に入りの高かった服を久し振りに取り出してみたら、穴が開いていてショックを受けたというような経験をしたことはありませんか?
これはもしかしたらヒメマルカツオブシムシという害虫の仕業かもしれません。
あまり聞かない名前ですが、お気に入りの衣服の虫食いの原因の殆どがこの害虫によるものだと考えられます。
では、この虫は一体どんな虫で、どこからやってくるのか?発生時期や駆除方法、対策などを一挙にご紹介します!
目次
ヒメマルカツオブシムシはどんな虫?
(ヒメマルカツオブシムシ 出典:Wikipedia)
日本全国ないしは世界中にいるこの害虫は、一見、てんとう虫のような形ですが、良く見ると黒い地肌に白、黄色、茶色の毛がびっしり生えていてちょっと気持ち悪いです。
デイジーやマーガレットなどのキク科の花が好きで、鰹節や玄米、小麦、そして、昆虫の死骸や繊維など動物性と植物性のどちらも食します。
その名の由来は鰹節に発生していたということで付けられました。
何らかの原因で一度成虫が家に入ってしまうと、タンスやじゅうたん、布団や毛皮などに潜み、沢山の卵を産卵します。
そして、成虫になるまでの約300日間、幼虫たちは繊維を食べて育ちます。
ちなみに、繊維を食べるのは幼虫のみで、成虫はキク科の花の花粉や蜜を餌とします。
尚、この幼虫は半年以上絶食しても生き延び、殺虫剤が効きにくく駆除しにくいという厄介者です。シルクやウール、カシミヤだけではなく、綿などの植物性の繊維も食べてしまいます。
人間への直接的な害はありません。
ヒメマルカツオブシムシの発生源
大切な衣類に容赦なく穴を開けてしまうヒメマルカツオブシムシですが、一体どこからどうやって家の中に入ってくるのでしょうか?
家に突如発生するヒメマルカツオブシムシの侵入方法について紹介していきます。
①洗濯物についていた
ヒメマルカツオブシムシが家の中に入って来る主な原因は洗濯物についていたという事が考えられます。
ヒメマルカツオブシムシがついているのに気が付かずにそのまま洗濯物を取り込み、家の中に入れてしまうという事が多いようです。
疲れて帰宅し、洗濯物を取り込む際は隅から隅まで洗濯物に虫がついていないかチェックする事はないですよね。
洗濯物を取り込んで、そのまま畳んでたんすの中に入れると、虫にとっては洗濯物についただけで、産卵するのに最適な場所へと自動的に運ばれるのですから、この上なくラッキーなことかもしれません。
②服についていた
デイジーやマーガレットが好きなヒメマルカツオブシムシは花の色でもある白や黄色を目掛けてやってきます。
その為、白色や黄色の服に付きやすいと言われています。
自分の服に虫をつけたまま知らずに帰宅すれば、おのずと家の中に虫を入れてしまう事になります。
③宅配便などの荷物に付いていた
ヒメマルカツオブシムシに限らず、あらゆる害虫が室内へ侵入する経路として挙げられるのが意外とこの理由です。
外から色んな場所や人の手を経由して運ばれてきた荷物にはいくらでも虫が付くチャンスがあります。
ヒメマルカツオブシムシの発生時期
(ヒメマルカツオブシムシの幼虫 出典:Wikipedia)
ヒメマルカツオブシムシは基本的に3月~11月に発生すると言われています。
随分期間が長いように思われるかもしれませんが、実は暖かく快適な室内であれば年中いる場合もあります。
3~4月頃にさなぎになった幼虫が約1ヶ月程で成虫になり、4~6月頃に活発に飛び回り活動します。
ヒメマルカツオブシムシの駆除方法
とても奮発して買った、あるいはお気に入りだった服に穴を開けられるなんてもう絶対に嫌ですね!
一度虫食いを見つけた方はまだまだ虫が家の中にいる可能性があります。これ以上の被害を出さない為にも駆除は絶対に必要です。
①洗濯する
ヒメマルカツオブシムシがついた洗濯物は洗濯するのが一番簡単で確実な方法です。
というのも、ヒメマルカツオブシムシは水に弱いからです。
②コロコロで徹底的に掃除する
じゅうたんや衣類についているであろう幼虫や卵は徹底的にコロコロで取ってしまいましょう。
掃除機だけでは取りきれなかった繊維の中に潜む虫もコロコロの強力粘着シートで取ってしまえば大丈夫です。
③スチームクリーナーで完全駆除!
気持ち悪いからもう二度と家の中で虫を目にしたくないという方には断然スチームクリーナーをおすすめします。
ヒメマルカツオブシムシは熱に弱く65℃になると死んでしまいます。
スチームクリーナーの表面温度が80~100℃に達するので、数秒当てるだけでもうヒメマルカツオブシムシは即死です。
もし、スチームクリーナーがない場合はアイロンでも同様の効果を得られます。
要するに65℃以上になれば良いのです。
ただし、使用の際は、くれぐれも繊維を傷めないようにお気を付け下さい。
ヒメマルカツオブシムシの被害への対策
さて、実際に虫食い被害にあった事がないとう方でも、家の中で成虫を見かけたら要注意です。
成虫を見つけたらもしかしたら既に家の中で産卵する可能性があります・・・早速対策しましょう!
①成虫を見つけたら直ちに駆除する
成虫を家の中で見つけたら直ちに駆除しましょう。
成虫が人間に与える害は直接ないものの、家の中で卵を産む可能性があります。
一匹が産む卵の数は約30~50個と言われています。
これが一気にたんすやクローゼットの中などで孵化し、せっせと大切な衣類を食べると考えると、ぞっとしますね。
そうならない為にも早目の対処が必要なのです。
②防虫剤を使う
とても残念なお知らせですが、ヒメマルカツオブシムシは殺虫剤が効きにくいです。
その為、とても効果が見込めそうなあのバルサンもあまり効き目がないと言われています。
そこで、たんすやクローゼット用の防虫剤を使いましょう。これにより、タンスやクローゼット内への虫の侵入を防ぐ事ができます。
とはいえ、ヒメマルカツオブシムシの幼虫は絶食状態でも約半年~1年生き延びると言われていますので、防虫剤の交換タイミングは厳守してください。
③部屋を綺麗に掃除する
ヒメマルカツオプシムシの幼虫は何も繊維だけではありません。
ホコリなども餌にする為、部屋の隅々まできちんと掃除することが大切です。
餌のない所に虫は寄り付きません。
同様に、じゅうたんなどもよくゴミや髪の毛などを良く取っておく必要があります。
④衣類は綺麗に洗濯して保管する
ヒメマルカツオブシムシは衣類の繊維が好物ですが、中でも、汗や食べこぼしによるシミなどが付着した箇所が大好物です。
服を長期保管する際は必ず綺麗に洗濯してからにしましょう。
まとめ
・ヒメマルカツオブシムシは日本はもちろん、世界中に生息する害虫で、幼虫は動物性と植物性の繊維やかつおぶし、ホコリなどを餌とする。しかし、成虫はデイジーやマーガレットの花粉や蜜などが好物。
・ヒメマルカツオブシムシの家への侵入経路は、洗濯物に付着していた、着ている服に付いていた、宅配便などの荷物に付いていたなどが考えられる。
・発生時期は基本的に3月~11月であるが、家の中だと一年中いる場合もある。
3~4月頃にさなぎになった幼虫が約1ヶ月程で成虫になり、4~6月頃に活発に活動する。
・駆除方法は洗濯して殺す、コロコロを使って掃除機でも吸い取れなかった幼虫や卵を取るという方法があるが、一番確実なのはスチームクリーナーを使った駆除だ。
・成虫を家の中で見つけたらまず、成虫はすぐに駆除すること、たんすやクローゼットに防虫剤を入れる事、部屋を綺麗に掃除すること、衣服は保管する前に必ず綺麗に洗濯することなどが挙げられます。
ヒメマルカツオブシムシがどこからくるか、また駆除方法や対策などご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?
大切な衣類などを害虫から守る為、まずは外から絶対に侵入させないように気を付けることが大切なようです。
洗濯を取り込む際や帰宅時など、虫が付いていないか確認すること一つでだいぶ被害が減りそうですね。
ただ、やはり小さな虫です。
気を付けていてもどこからか侵入してしまった時の為に、家の中は常に清潔にし、念のため防虫剤も入れていた方が安心ですね。