寒い季節になると活躍するセーターですが、「セーターを洗濯機で洗濯したら縮んでしまった。」なんて経験は、誰にでも一度くらいはあるのではないでしょうか。
特にお気に入りのものだった場合、ショックは大きいですよね。
もう着られないとあきらめてしまった人もいるかもしれませんが、実は元に戻す方法があるのです。
今回は縮んだセーターを元に戻す方法をいくつかご紹介します。
目次
なぜセーターは縮むのか?
そもそもなぜセーターは縮むのでしょうか。
実はセーターが縮むのは、繊維が洗剤や水に触れ絡まったことが原因です。
セーターに使われているウールやカシミヤなどの繊維はとてもデリケートなので、洗剤を使って洗うことで必要な油分まで取り除いてしまい、ゴワゴワになって縮んでしまいます。
また、水を含むと繊維が広がる性質もあり、その広がった面がほかの洋服などと絡まり、1つ1つ独立していた繊維がギュッとひとまとまりになって全体的に縮んでしまうのです。
石鹸で髪を洗うとゴワゴワになったり、きちんと髪を乾かさずに寝るとひどい寝癖になったりすることがありますよね?
ウールやカシミヤなどの繊維は髪の毛のキューティクルと同じような構造をしているので、似たようなことがセーターでも起こっている、というわけなのです。
セーターの縮みは繊維同士がからまりあったことが原因なので、それぞれの繊維をほどいてあげればキレイに戻せます。
アイロンを使った縮んだセーターの戻し方
「ニットにアイロンをかける」といっても直接アイロンをあててシワを伸ばすわけではありません。
ニットに使われているウールなどは熱に弱く、直接あてるとツルツルとテカリが出てしまうので注意が必要です。
ニットやセーターには、アイロンを浮かせてかける「浮かしがけ」というかけ方がポイントになります。
浮かせて温かいスチームだけをふくませると、繊維がふくらみ、乾いたときには形が整います。
こうして縮んだセーターは、アイロンがあれば簡単に元に戻すことができます。
アイロンのかけ方
アイロンのかけ方
1.アイロン台にセーターを広げる。
2.セーター全体にアイロンをかける。このときアイロンを直接当てるのではなく浮かせながら一箇所に10秒ずつ程ゆっくり蒸気を当てる。
3.火傷に注意しながら上下左右にゆっくりセーターを伸ばす。
4.含んだ蒸気が完全に乾くまで放置し、形を定着させる。
トリートメントを使った戻し方
縮んだセーターは、髪がゴワゴワになっているのと同じ状態です。
なので、髪の毛がゴワゴワにならないようにするトリートメントを使うことで元に戻すことができます。
これは、トリートメントに含まれるジメチコンという成分に髪の毛のキューティクルをコーティングする効果があるため、トリートメントを使用することによって毛糸のほつれが解消され元に戻りやすくなるのです。
トリートメントの使い方
トリートメントの使い方
1.洗面器にリンス液を作る。
1プッシュ分のリンスを洗面器にいれて少量のお湯で溶き、充分に混ざったら40℃ほどのお湯をセーターがつかるくらいの高さまで入れる。
2.セーターを浸す
セーターを軽くたたみ、リンス液がたっぷり染み込むように洗面器に浸しすぐ取り出して軽く絞る。
3.セーターを伸ばす
濡れた状態で形を整える。下にタオルを敷いておくと片付けが楽になります。
4.平干しする
広げて元の大きさまで戻したら、平干しで乾かす。
脱水後は、型崩れしないように注意して陰干しします。
この方法で大抵のセーターは元に戻ります。
しかし、全てのセーターに適用されるわけではなく、この方法が効果的な素材は、ウールやカシミヤ、アンゴラなどの動物の毛から作られたものになります。
綿や麻、それにポリエステルなどの合成繊維の素材にはあまり効果がありません。
またリンス液を使っても戻りが十分でなければアイロンで再度伸ばしてみましょう。荒れた繊維がよりしっかり戻ります。
セーターを伸ばさず洗う方法
①おしゃれ着用の洗剤で手洗いする
そもそもセーターが縮んだということは、洗濯の方法に問題があったのではないでしょうか。
セーターはデリケートな素材なのでおしゃれ着用の洗剤で手洗いするのが基本です。
手洗い方法
1.水を張った洗面器に洗剤を溶かし、セーターを洗濯ネットに入れて浸しましょう。
2.5分ほど手のひらで汚れを押し出し、水を入れ替えて2〜3回すすぎます。
3.その後1分ほど洗濯機の脱水にかけて平干しします。
この方法であれば、セーターは縮まずに洗うことができます。
セーターをを伸ばさずに干すには、水分による重さを分散させるため、ニットを平らにしたまま干すことができる平干しがおすすめです。
室内干しをする場合は、テーブルの上にバスタオルを敷き、その上で乾かすのも良いですが、表面が乾いたら裏返すことを忘れないようにしましょう。
屋外でも室内でも、日に当てすぎると色あせてしまうため、風通しの良い日陰に干すようにしましょう。
②ドライクリーニングを利用する
ドライクリーニングは負担をかけずに形を保ったまま洗える特性があり、セーターにぴったりの洗濯方法です。
着用頻度にもよりますが、シーズンの途中で1回、シーズン終わりのしまい洗いに1回出すといいでしょう。
③乾いたあとに、もう一手間
セーターが乾いたらたたむ前に、ウール用か中温(110~150℃)のアイロンでスチームをたっぷり含ませ、表面から10センチ上辺りを軽くなでるようにかけてみましょう。
毛羽立ちを押さえることができ、ニットが長持ちします。
まとめ
・セーターは素材によって伸ばし方が変わる
・セーターの縮みはアイロンを使って戻すことができる
・素材によってはトリートメントを使うこともできる
・セーターを伸ばさずにするためには、普段から専用の洗剤を使い、洗い方を心掛ける必要がある