【犬についたマダニを取った後の処置方法】除去後の傷口を正しく対処しよう!

 

最近は室内で犬を飼っているご家庭が多く見られるようになりましたね。

 

その為、昔のように外で飼われている犬に比べて、犬がマダニに噛まれるという機会も少なくなっているように感じます。

 

しかし、実は、室内犬だって油断は禁物です!もしも、愛犬にマダニが付いていた場合、どう対処すべきか?また、マダニを取った後の正しい処置方法などを詳しくご紹介します。

 

目次

マダニの特徴

 

 

マダニと言っても日本に住んでいるマダニの種類は数種類あり、住んでいる場所も都市部から高山など様々です。

 

ダニはダニでも家の中にいて、アレルギー症状をもたらす原因ともなるあのヒゼンダニなどとマダニは全くの別物です。

 

マダニは8本の脚を持った体長3~4mm程の大きさで、節足動物の一種です。犬の顔やお尻についたマダニは約1~2週間程かけて吸血します。すると、固い外皮に覆われたマダニは元の大きさの何十倍もの大きさに膨れ上がり、触った感じも明らかに吸血しましたというようにブヨブヨです。

 

じっくり時間をかけて吸血したマダニは犬の身体から地面に落ち、2~3週間程かけて今度は卵を産みます。

 

このようにマダニはどんどん増殖していくのです。あなたの愛犬に黒い血の塊かゴミのような物が見えた場合、それはもしかしたらマダニかも知れません。

 

犬についたマダニを駆除した後にすべきこと

 

 

愛犬のマダニ駆除はどうしやってしましたか?まさか手で無理矢理引っ張って取った方はいらっしゃいませんよね?

 

マダニには正しい除去方法があります。もし、何らかの方法でマダニを動物病院ではなく自宅で駆除した場合は以下の点に当てはまらないかを確認してください。

Check!!

1、マダニを無理やり引っ張って除去した

2、マダニの頭が皮膚に残ってしまった

3、マダニを正しい除去方法で除去した(綺麗に取れた)

 

この上記の3つのうち、もし1や2の状況である場合、動物病院に連れて行って正しい処置をしてもらってください。感染症や化膿、または炎症を起こしてしまう恐れがあります。

 

特に、マダニの頭だけが愛犬の身体に残ってしまった場合、医師にきちんと除去してもらい、軟膏や場合によっては抗生剤などを使って感染症や炎症の予防をしてもらう必要があります。

 

3の場合は特に処置は必要ありません。ただし、マダニを除去する際、マダニの体を押しつぶしてしまったりした場合、感染症を起こしてしまう事もあります。

 

除去後もしばらくは愛犬の様子を見守り、少しでもおかしいと感じたら病院に連れていきましょう。

 

家庭でできるマダニの除去方法

 

 

愛犬にマダニがついているのを発見したら、動物病院で駆除してもらうのが一番です。

 

しかし、夜遅くであったり、休日などで休診している場合、憎きマダニは早く愛犬の体から引き離してあげたいものですね。

 

ただ、自己流の間違った駆除方法だと逆に愛犬を傷つけてしまう可能性もある為、これからご紹介する自宅での正しいマダニ除去方法で取ってあげてください。

 

①お酢を使った除去方法

 

 

コットンやガーゼなどにお酢をたっぷり含ませ、ダニを包み込むようにします。決して潰したり、強く押したりしないでください。

 

ダニはお酢の匂いが苦手な為、しばらくすると噛みついていた愛犬の体から離れます。その隙に、マダニを毛抜きやピンセット等で潰さないように掴みましょう。そして、あらかじめ用意しておいた、お酢入りの紙コップに入れます。

 

ダニが完全に動かなくなったのを確認したら、マダニをガムテープなどにくっつけ、包み込んで外に出られないように封じ込めたらそのままゴミ箱へポイすればおしまいです。

 

お酢は大体どのご家庭にもあるかと思いますので、手軽に駆除できる方法です。

 

②お酢スプレーを使った除去方法

マダニが気持ち悪いのでガーゼやコットンの上からでも触れたくない!という方にはお酢スプレーをおすすめします。

 

スプレーボトルにお酢と水を「1対1」の割合で入れたらあとはマダニがいる箇所に噴射するだけです。ただし、お酢はとても刺激が強いですから、この時、愛犬の顔や鼻にスプレーが掛からないように注意しましょう。

 

すると、マダニは自然に噛みつくのを止め、動き回ります。その後については、ガーゼやコットンを使った方法と同様です。

 

③消毒用アルコールを使った除去方法

 

 

ここまでお酢を使った除去方法をご紹介しましたが、お酢が無い場合は消毒用アルコールも同様の効果があります。

 

ただし、皮膚が弱い犬の場合、アルコールが使えない事があるので注意してください。

 

④ダニ取り専用ツールを使う

 

 

毛抜きやピンセットなどでマダニを掴もうとしても、思わず力が入ってしまって上手く掴めなかったり、潰してしまったりしがちです。

 

そういう方はネットなどで販売されているダニ取り専用のツールが良いかもしれません。

 

なぜ無理矢理マダニを取ってはいけないのか?

①化膿や炎症の原因になる

マダニの噛みつく力はとても強く、除去しようと無理矢理引っ張るとマダニの体だけは除去できたが、恐ろしい事に口はまだ皮膚を噛みついたままという状態になることが多いです。

 

すると、口がまだ皮膚に残ったままなので化膿したり、炎症を起こしてしまう恐れがあります。

 

②感染症の原因になる

マダニを駆除する際の注意点として、決して押したり潰したりしないこととご紹介しました。

 

マダニの膨らんだ体を吸血中に引き離そうと、押したり潰したりすることで、マダニの唾液や体液が愛犬の体内に入ってしまう事があります。すると、これが原因で感染症を引き起こしてしまう可能性が高まります。

 

また、もし、マダニが卵をもっていた場合、潰してしまった拍子に卵が飛び散ってしまう可能性もある為、毛抜きやピンセットで除去する際も十分注意しましょう。

 

マダニがもたらす怖い症状

 

 

アレルギー性皮膚炎はマダニが引き起こす症状として広く知られていますが、ここ数年で問題にもなっている怖いものが、マダニによる媒介性疾患です。

 

これは動物に限らず人にも感染するということで問題になっていますが、特に下記の病気の原因となるとして、マダニに対する注意が呼びかけられていますね。

起こり得る病気

・バベジア症(バベジア原虫)

・日本紅斑熱(リケッチア)

・ライム病(ボレリア菌)

・Q熱(コクシエラ菌)

・エールリヒア症(リケッチア)

・重症熱性血小板減少症候群(SFTSウィルス)

 

特に、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)はとても怖い病気で、有効なワクチンがない為か、致死率が10~30パーセントと高いです。

 

発熱や食欲不振に始まり、吐き気や嘔吐、下痢、腹痛、頭痛や筋肉痛など最初は風邪のような症状が出ますが、次第に意識障害や失語症、皮下出血や下血などの出血症状などが出ます。

 

また、白血球や血小板が減少するなど非常に恐ろしい症状が発症するのがこのSFTSウィルスの特徴です。

 

愛犬の体についてきたマダニによる被害も十分に考えられますので、愛犬共々十分なマダニ対策が必要です。

 

どこでマダニがつくのか?

 

 

「室内犬だからウチの犬は大丈夫」と油断は禁物です。室内犬でもマダニの被害はとても多いのです。

 

「まさか家の中にいた!?」なんて考えるだけでもぞっとしますね。では、いつどこでマダニは愛犬についてしまうのでしょうか?

 

マダニは草むらで待っている!

マダニは気温25度以上、湿度75%以上の高温多湿な気候を好みます。時期で言えば、ちょうど6月頃から9月までが最も活発だと言えますが、基本的には1年中生息しています。

 

マダニは自らあまり動き回ることはありません。湿気がある草むらの中を獲物が近付くまでひたすらじっと待っているのです。そこに何も知らない犬がお散歩にやってきて、その振動や体温、そして犬が吐き出す二酸化炭素などを察知すると、マダニは獲物である犬の体にすかさず飛びつくのです。

 

獲物の体に飛び移るのに成功したマダニは、犬の体の上を動き回り、血管を見つけたらすぐに吸血を始めます。

 

普段から気を付けるべきマダニ対策

 

 

愛犬をマダニから守る為に、飼い主は普段からどういうことに気を付けるべきなのでしょうか。

 

①草むらに近づけない

お散歩中、どうしても犬は草むらなどに入りたがると思いますが、草むらにはマダニだけではなく、ノミなどの危険がいっぱい。

 

できるだけ近づけないようにすることが一番です。

 

②他の犬との接触に気を付ける

犬は他の犬に興味津々。近くにいるとどうしても近寄ったり、じゃれあったりするものです。

 

しかし、もしどちらか一方の犬にマダニがいた場合、犬同士の接触で移ってしまう可能性は大です。その為、できるだけよく知らない犬に近づけない事が一番なのですが、そういうわけにもいかないのが現実ですね。

 

マダニがついていないか帰宅後は犬の身体をよくチェックしましょう。

 

③シャンプーやブラッシングをこまめにする

お散歩が大好きなワンちゃんには帰宅後はブラッシングをしたり、定期的に薬用シャンプーなどできれいにしてあげてください。

 

ブラッシングは意外と効果的で、まだ吸血していないマダニであれば、除去することができます。その場合、ノミ取り用のブラシを使うと取りやすいですよ。

 

④予防薬を使う

マダニ予防の薬を使って、マダニの駆除と予防をしておきましょう。

 

ただし、犬によっては稀に嘔吐や食欲不振などの副作用をもたらす場合があるので、かかりつけの獣医さんに相談しながら決めるのが良いでしょう。

 

まとめ

・マダニを自宅で除去する際は無理矢理引っ張ったり、潰したりしないようにすることが大切。

・マダニ除去にはお酢が有効。

・上手く除去できなかったり、愛犬の様子がおかしかったりした場合はすぐに獣医師に診てもらうこと。

・マダニは犬だけではなく、人間にも恐ろしい病気をもたらす。

・普段からマダニが付かないように予防することが大切。

 

マダニは季節を問わず、南は沖縄から北は北海道まで日本中どこにでも生息するものです。もし、愛犬がマダニに噛まれてしまったら、必ず正しい処置方法で駆除してください。

 

また、一度、寄生されると、大切な愛犬に色んな症状をもたらすばかりか、飼い主であるあなたも被害にある可能性がある為、予防は大切です。愛犬と健康で楽しく暮らしていけるよう、普段から飼い主さんが十分にケアしてあげてくださいね!