「日本人に生まれてよかった〜」など、思う瞬間はありませんか?
日本人は新茶を愛飲される方も多く、特にその美味しい時期は、通常よりもさらに新緑の香りが漂い、それだけで心身のリラックス効果を実感することができますね。
茶摘みは、気候により、南の温暖な気候となる鹿児島から行われ、次いで福岡の八女茶、そして京都の宇治へと続きます。
そんな新茶の時期はいつかご存知ですか?
ここでは、静岡や宇治、鹿児島など、新茶の時期とそれぞれの特徴についてまとめてみました。
目次
新茶の時期
「夏も近づく八十八夜~♪」と、初夏の茶摘みの光景がうたわれる童謡をご存知ですか?
八十八夜とは、立春から数えて88日目にあたる5月2日頃のことを指し、この時期のお茶が最も美味しいと伝えられています。さらに八十八夜茶は、無病息災を願うとても縁起の良いお茶として知られており、贈り物としても最適であると言われているのです。
「新茶」はその年に生産されたお茶を「新茶」と呼んでいますが、お茶の茶摘みを行う時期が1年のうちに4回実施されます。
その際、1回目は4月末〜5月半ばまでに行われ、それを「一番茶」と呼んでいます。
そして、2回目は6月半ば〜7月初旬に行われ、それを「二番茶」、3回目は7月末〜8月初旬に行われ、それを「三番茶」、最後4回目は9月末〜10月初旬に行われ、それを「四番茶」と呼んでいるのです。
これだけたくさんのお茶の葉が採れるとなると、いったいどの時期のお茶が美味しいのでしょうか?
いつのお茶が一番美味しいの?
1年のうちでお茶が一番美味しいと言われているのは4月末〜5月末の間に摘む「一番茶」が最もおいしいと言われています。
これは、冬の寒い時期に根が腰部を蓄え、少し気温が変化する春の訪れとともに新芽が成長し、お茶の旨味のもととなる成分の「テニアン」が豊富に含まれているからです。
口当たりものど越しもよく、私たちの食卓によく登場する新茶となります。
新茶が販売される時期
新茶となる一番茶は、摘まれた5月〜8月初旬頃まで店頭やインターネット通販などにて販売され、あらゆる店舗にて真空パックや冷凍などの方法で鮮度を保ち、通年販売することもあります。
しかし、夏を過ぎる頃に一番茶として販売することじたいが稀なケースとなるため、どれだけ鮮度が保たれていようと、摘みたての新茶が最も美味しいということは言うまでもないでしょう。
それでは、ここからは、各地お茶の名産とも言われる静岡や宇治、鹿児島で摘まれる新茶やそれぞれの特徴をここにご紹介します。
静岡の新茶と特徴
①牧之原茶
静岡で人気の牧之原茶は、生産量が多く、深蒸し茶として普通の煎茶よりもコクが深く旨味を凝縮し、少しほろ苦さを楽しめるお茶をいただくことができます。
とてもまろやかな味わいが人気のお茶です。
②静岡茶
静岡県はお茶の生産地でもあり、国内生産量が第一位を誇っています。特に静岡茶は県内産茶葉を100%使用し、松尾芭蕉が静岡茶の俳句を詠んでいたことから、この地がお茶の産地であったことは歴史上でも有名な話です。
そして、明治維新に開墾し、茶畑を増やしたことで日本一有名なお茶の生産地になりました。
静岡茶はとても味が濃い反面、渋みがない分とても飲みやすく、味がまろやかかつお茶の葉の香りがとても特徴的で、品質の高い茶葉となっています。特に4月下旬に摘まれた茶葉は非常に希少価値が高いため、同じ静岡茶の中でも高級茶葉として取り扱われています。
宇治の新茶と特徴
①宇治茶
宇治茶はその名の通り、京都府宇治市を中心として生産されており、日本緑茶の最高級ブランドであると言われています。伝統的な浅蒸し製法で作られており、とても上質な味わいと深緑色の茶葉が香り高いという特徴を持っています。
甘みがあり、コクも深いながら、味は他のお茶と比較しても薄めですが、抹茶や玉露、煎茶、番茶など種類も豊富に生産されています。茶葉の摘採時期は5月となり、その中でも特に新茶は最も香り豊かなお茶になります。
②朝宮茶
京都と滋賀の県境である高地で栽培されている朝宮茶は、日本国内において最も高級な茶産地で栽培されている茶葉として有名です。
新茶が摘める時期は5月上旬からとなりますが、新芽は太陽光がどれほど当たるかによって出方も異なることから、その新芽をしっかりと見極めて摘採のタイミングを見計らう必要があるそうです。
朝宮茶の新茶は別名「お茶の宝石」などと呼ばれ、深い香りとコクが定評です。
そして、あまり見たことがないという方が大半ですが、朝宮茶を栽培する畑には、霜よけを行い、新芽を守るために扇風機を設置しているそうです。あらゆる工夫を凝らして、最高級お朝宮茶が出来上がっていることが分かりますね。
鹿児島の新茶と特徴
八女茶
鹿児島で最も有名な茶葉は、福岡の八女茶です。
全国品評会において常に上位に位置しているほど上質なお茶として知られています。
非常に深いコクがある中に、まろやかな甘みが口に広がるのが特徴的なお茶です。
八女茶は福岡県において有名な茶畑で栽培され、深蒸し製法によりお茶を作ります。とても旨味が強く、多くのファンがいると言われています。
一番茶が摘める時期は4月中旬からとなり、5月上旬にはピークとなります。冒頭でもお伝えしている通り、一番茶が最も美味しいと言われていることから、八女茶を飲んでみたいと思われる方は、ぜひ一番茶の季節を狙って購入してみてくださいね。
新茶を美味しく飲む方法
新茶はやはりその香りを楽しむことに加え、飲みやすさや深いコクを味わえるかどうかがカギです。
そのため、美味しく入れることができると、まるでお料理する時に決め手となる出汁のような深いコクと旨味を感じることができます。
一般的に新茶を美味しく飲むためには、80℃ほどのお湯を準備し、いったん60℃くらいに冷ました後、急須にお湯を注ぎましょう。
お茶を作る際、100℃に近い熱湯の方がよく味が出て美味しいと思う方が多いと思いますが、実は、上質な味わいを楽しむことができる高級な茶葉ほど、温度を低めに設定したお湯を使用する方がよりお茶の旨味を引出すことができるのです。
茶葉の量は1人当たり約5gほどとなります。
急須にお湯を注いだ後、30秒から1分ほど蒸らした後、湯のみに注ぎましょう。
注ぐ順は最後に注いだ湯のみから注ぎます。順番を逆順にしなければ、ひとつだけが濃いお茶が出来上がってしまうため、お茶を注ぐ順番には気を付けてくださいね。
美味しく注ぐポイントとしては、一度に一気に湯のみに注いでしまうのではなく、3〜4回に分けて注いでみましょう。
すると、旨味が凝縮され、より美味しいお茶を飲むことができますよ。少し苦味のあるお茶をお好みの方は、熱めのお湯を使用してみるとまた違った味を楽しむことができます。
まとめ
静岡や宇治、鹿児島など、新茶の時期とそれぞれの特徴についてまとめてみましたが、いかがでしたか?
新茶は1年のうちに4回お茶の茶摘みを行う時期があります。
・一番茶(1回目):4月末〜5月半ば
・二番茶(2回目):6月半ば〜7月初旬
・三番茶(3回目):7月末〜8月初旬
・四番茶(4回目):9月末〜10月初旬
どれも美味しいお茶を飲むことができますが、最も美味しい新茶は一番茶となります。
静岡や宇治、鹿児島などの新茶の時期と特徴は、
✔ 牧之原茶:普通の煎茶よりもコクが深く旨味を凝縮し、少しほろ苦さを楽しめ、とてもまろやかな味わい
✔ 静岡茶:味が濃い反面、渋みがない分とても飲みやすく、味がまろやかかつお茶の葉の香りがとても特徴的
✔ 宇治茶:浅蒸し製法で作られており、とても上質な味わいと深緑色の茶葉が香り高い
✔ 朝宮茶:深い香りとコクがある
✔ 八女茶:深いコクがある中に、まろやかな甘みが口に広がる
各地においてとても魅力的な新茶があることが分かりましたね。
新茶が最も美味しい時期に、ぜひご紹介したお茶を楽しんでみてください。