ふとした瞬間に、ゲップがこみ上げてきて我慢したはずなのに喉からキュルキュルやググゥという音がする事はありませんか?
食後や炭酸飲料を飲んだ後になる場合は誰にでも起こり得る現象ですが、もし頻繁に喉がなってしまう場合は病気かもしれませんよ?
今回は、喉がキュルキュルと鳴ってしまう原因や考えられる病気について徹底解説していきます。
普段から、吐き気や喉の圧迫感を感じている方や喉が頻繁に鳴る方は自分が当てはまるかどうかを見比べてみてください。
目次
喉が鳴る原因は?
喉がキュルキュル、ググゥといった音で鳴る場合に考えられる原因はいくつかあります。
そもそも、なぜ喉が鳴るのかという事から考えていきましょう。
喉が鳴るのは空気が喉に溜まって逃げ場を失い、その空気が移動する事が原因です。
喉に溜まった空気が口外へと逃げ場を求めればゲップになりますし、逃げ場を失って食道など体内へと移動する場合には喉から音を生じる場合もあります。
また、キュルキュルやググゥと言った音ではなく呼吸時にヒューヒューやゼーゼーという音がする場合は呼吸器系のトラブルが原因の場合があります。
今回、解説していく「喉が鳴る」は呼吸時に起こる音ではありませんので混同しないように注意してください。
空気が原因で喉が鳴る事は解りましたが、なぜ空気が溜まるのか?についても考えてみましょう。空気が溜まる原因によっては病気を疑う必要が出てきます。
①食後や炭酸飲料を飲んだ後に喉が鳴る場合
実は、私たちは日々の食事で食べ物や飲み物と一緒に空気も体内に取り込んでいます。
これは、呼吸によって取り込む空気とは違い「空気を飲んでいる」状態になります。
呼吸によって取り込む空気は肺を通り循環して体外へと排出されますが、飲みこんだ空気は食道を通り胃に向かいます。場合によってはそのまま腸へと向かいます。
ゲップやオナラといった生理現象は、この飲んだ空気を体外へと排出するために起こるのです。
つまり、食事で空気を飲み込んだ場合や炭酸飲料を飲んだ後に喉が鳴る場合は健康な人であっても起こり得る生理現象と捉える事ができます。
ただし、詳しくは後述しますが早食いの方は食事の際に取り込む空気量が多くなる事や病気リスクが高まる事を覚えておきましょう。
毎食時後に喉が鳴る、頻度が高い人は次に解説する“呑気症”という病気の疑いがありますので注意しましょう。
②呑気症(空気嚥下症)によって喉が鳴る
特に食後や炭酸飲料を飲んだ後などのタイミングではなく、日常的に喉が鳴る方は呑気症(どんきしょう)別称として空気嚥下症(くうきえんげしょう)という病気の可能性があります。
呑気症とは、読んで字のごとく空気を呑んでしまう症状を指しています。
食事の際に空気を呑む事はもちろん、過剰な嚥下つまりツバを飲み込む際に一緒に空気を呑んでしまうなどによって胃や食道に空気が溜まってしまいます。
呑気症になる原因について詳しく解説していきます。
呑気症を引き起こす要因
喉が鳴る原因として呑気症という病気による症状の可能性がある事を解説しましたが、呑気症はどのような要因によって引き起こされる病気なのでしょうか?
呑気症を引き起こす原因は特定が難しいと言われています。
詳しくは後述しますが、呑気症によって引き起こされる症状は喉が鳴るだけとは限らない事もあり、呑気症と診断されるまでに何件も病院を渡り歩く事になってしまう患者さんも少なくないようです。
一般的に言われている呑気症の要因として第一に挙げられるものはストレスです。
ストレスを多大に感じると、自律神経が乱れる事が解っています。
自律神経は、全ての内臓器官と繋がっており自律神経が乱れると多種多様な症状を引き起こします。呑気症も、自律神経の乱れが引き起こす症状の一つと考えられています。
ストレスが原因で起こる呑気症は、ストレスの多い現代社会では誰しもが発症する可能性があるとも言えますから、他人事ではないということですね。
歯の噛みしめが原因で呑気症を引き起こすケースもあります。
こちらは、通常の呑気症と異なる病名で呼ばれる事が多く「噛みしめ呑気症候群」と呼ばれています。
リラックスした平常時に、上の歯と下の歯が触れている事が多い人は要注意です。
本来リラックスしている状態の私たちの歯は上下が少し開いている状態です。
ところが、噛みしめ呑気症候群の人は平常時であっても上下の歯が触れている事で嚥下(ツバを飲み込む事)が多く起こる為、結果として空気を一緒に呑んでしまうのです。
他にも噛みしめ症候群には頭痛や肩こりを引き起こしたり、歯のトラブルを引き起こす症状があるため、思い当たる人は意識的に上下の歯が当たらないように心がけましょう。
早食いも呑気症を引き起こしてしまう要因の一つです。
早飯も芸の一つなどという言葉もありますが、医学的に見た場合は早飯には何も得がありません。
早食いをすることによって、食事中に一緒に取り込む空気が増えてしまいます。
なるべくゆっくりと時間をかけて食事を摂るように心がけましょう。
しっかりとよく噛んで食べる事は、食べ過ぎの防止や食物をしっかりと消化しやすくする効果などがあります。
医学的見地から言えば、遅飯のほうが秀でた食べ方と言えますね。
噛みしめ呑気症候群の特徴と症状
呑気症や噛みしめ呑気症候群によって喉がなっている可能性があるとお伝えしましたが、最後に噛みしめ呑気症候群について詳しく解説をしていきます。
まず、噛みしめ呑気症候群の原因はストレスや噛みしめです。
- 気が付くと上下の奥歯が触れ合っている
- 何かに集中していると無意識に歯を噛みしめている
- うつ状態
- ストレスを強く感じている、不安や緊張に晒されている
これらに思い当たり、慢性的に喉が鳴る方は噛みしめ呑気症候群の疑いがあります。
喉が鳴る、という症状だけであれば噛みしめ呑気症候群は怖い病気ではないのですが症状として発現するのは喉が鳴るだけではないのです。
それでは、起こり得る症状をみていきましょう
①頭痛
噛みしめ呑気症候群によって、頭痛が引き起こされる場合があります。
この場合、専門医として頼ることになるのは通常は脳外科や神経内科になります。
②肩や首が痛い、しびれる
肩が異常に凝る、首筋が張っている、しびれる感じがするなどの症状も起こる事があります。
この場合、通常であれば整形外科や神経内科を頼ることになるでしょう。
③顎が痛い、顔が痛い
顎に痛みが起きたり顔全体や一部に痛みが起きる場合もあります。
通常であれば、歯科や口腔外科、場合によっては脳外科や神経内科を勧められるでしょう。
④胃もたれ、吐き気、苦しい感じがする
空気が溜まってしまう噛みしめ呑気症候群は、胃や腹部の不快感や膨張感を引き起こす事があります。
また、ひどい場合はそのまま逆流性食道炎を併発する事もあります。
通常、消化器内科や外科に頼る事になります。
⑤耳鳴りやふらつき
意外ですが、耳鳴りやふらつきという症状が起きる事もあります。
耳鼻咽喉科や内科を勧められることになります。
⑥眼の奥が傷む
頭痛や顔の痛みと似ていますが、眼球の裏側に痛みを感じる場合もあります。
眼の痛みという事で、眼科に向かうケースが多いです。
どれも、噛みしめ呑気症候群と結び付けにくい症状が多いと感じたのではないでしょうか?
そこが、噛みしめ呑気症候群の怖い所です。
当の本人は、これらの症状で苦しんでいるにも関わらず該当する病院へと足を運び検査をしてもらうと「異常なし」となってしまい、結果的に様々な診療科を渡り歩く事になりかねません。
このようにいくつもの医療機関に足を運ぶ事を「ドクターショッピング」と言いますが、噛みしめ呑気症候群は、すぐに診断されにくくドクターショッピングを引き起こしやすい病気なのです。
もし、喉が鳴る事を不安に思いこのページをご覧になってくださっている方で他の症状でも悩んでいる場合は、噛みしめ呑気症候群の可能性を疑うと改善につながるかもしれませんよ?
掛かりつけの医師など話しやすい環境があれば、噛みしめ呑気症候群の可能性について聞いてみるのも良いかもしれません。
まとめ
まとめ
✔ 喉が鳴るのは空気が喉に溜まっている事が原因。
✔ なぜ、空気が喉に溜まるのか。その原因が重要。
✔ 慢性的に喉が鳴る人は、呑気症の疑いあり。
✔ 噛みしめグセがある人は噛みしめ呑気症候群に注意しましょう。
✔ 喉が鳴る以外にも多岐にわたる症状をもたらす噛みしめ呑気症候群がある。
食事の後や、炭酸飲料を飲んだ後など特定のタイミングで喉が鳴るのであれば冒頭でも申し上げた通り、あまり心配はありません。
過度に心配をすると、それがストレスになって呑気症を引き起こしてしまう可能性もありますから生理現象だと気楽に考えましょう。
しかし、慢性的に喉が鳴り記事内で挙げた諸症状にも心当たりがある方は噛みしめ呑気症候群の疑いがありますので、医師へと相談すると良いでしょう。
マウスピースに似たスプリントという器具で噛みしめを抑制する治療法などでしっかりと対処することで、空気を呑む機会を大幅に減少出来ますよ。
ストレスを溜めない、噛みしめない、これが予防や対策になります。
どちらも簡単な事ではありませんが、もしかして?と思い当たる方はストレスの発散や噛みしめないように意識して生活してみてはいかがですか?