日焼け防止や日差しを防ぐ為に晴れた日に使う日傘。
雨の日に、体を濡らさないように差す雨傘。
この二種類の傘、違いはあるのでしょうか?
同じ傘なら、雨の日に日傘を差したり雨傘を日傘替わりに使う事はできないのでしょうか?
今回は、知っているようで知らない日傘と雨傘の違いについて徹底的に解説していきます。
目次
日傘と雨傘の違い
日傘と雨傘。この二つの傘、用途が違うのは判ります。
しかし、傘と名のつくこの二つの傘は形状も当然「傘」の形をしています。
具体的に、何がどう違うのでしょうか?
①加工の違い
雨傘は当然、雨に濡れない為に指す傘です。
日傘は、日差しを抑える為や紫外線対策で指す傘です。
この、目的がそのまま答えに繋がっています。
雨傘は、雨を避ける事を目的としていますのではっ水加工が施されています。その為、材質で言えばナイロンやポリエステルなど化学繊維が用いられる事が多いです。
一方、日傘は日差しを避ける事が目的ですから風遠しも求められます。
日傘を差した結果、逆に暑くなってしまうのでは元も子もありません。その為、材質は麻や綿などの天然素材が用いられる事が多いです。
また、紫外線対策としての機能も求められる為UVカット加工が施される事が多いです。
②大きさにも違いがある
雨傘の場合、大き目に作られる場合が多いです。理由は単純に雨を防ぐ面積が大きいほど濡れづらくなるから。
一方、日傘の場合は雨傘に比べると小さ目に作られる場合が多いです。
差している人が、日蔭に入れれば目的を達するという理由が一つ。
もう一つは、あまり大きくて重い日傘を晴れている日に差して歩いていると、逆に体力を消費して、体温が上がってしまうからです。
③色の違いと効果の違い
雨傘は、色による効果の違いはありません。
違いがあるとすれば、せいぜい視界の悪さでしょうか?
雨の日は視界が悪くなるので、透明なビニール傘であれば視界の悪い雨の日であっても、視界をある程度確保する事ができます。
一方、日傘は色の違いによって期待できる効果に大きな差が生まれます。特に、紫外線カットを目的とした場合に傘の色で期待できる効果が変わります。
太陽から降り注ぐ紫外線をカットするためには、黒に近い色であればあるほどその効果は高まります。
しかし、真っ黒な日傘はあまり見かけませんよね?
日傘と聞いてイメージするのは、白や淡い色使いではないでしょうか?これには日傘が持つもう一つの役割が大きく関わってきます。
黒い日傘にすれば、紫外線カットの効果は非常に高まりますが日差しを避けて暑さから身を守るという観点からは逆効果になります。
なぜなら、黒には熱を吸収する性質があるからです。紫外線を気にして黒くすると暑くなり、色を淡くすれば紫外線カット効果が下がる。
悩ましい問題ですが、それを少しでも軽減するために日傘の場合はUVカット加工を施すというわけです。
黒い日傘ももちろん存在し、こちらは逆に暑さ対策を考えてレース生地などにすることで風通しを良くして熱がこもる事を軽減しています。
日傘は目的に合わせて選ぶ
日傘は指す目的に応じてより高い効果が期待できる傘を選ぶ事ができます。
①紫外線対策を重視したい
シミや肌荒れの元となる紫外線。日焼け対策も含めて紫外線をしっかりと防ぎたい!
そんな方は、なるべく色が濃い日傘を選ぶ事で高い効果が期待できます。
前述したとおり、黒に近ければ近いほど紫外線カット率は高まりますので、絶対に紫外線から肌を守りたい方は黒い日傘を選ぶとよいでしょう。
②暑さ対策 涼しく過ごしたい
夏場など、外を歩く際に少しでも涼しく過ごす為に差す日傘であればなるべく淡い色の日傘がおすすめです。
色が淡く、風通しのよい日傘を選ぶ事で日差しを遮り涼しく過ごす事ができます。もちろん、UVカット加工が施されているので紫外線を防ぐ効果も期待はできますが、黒の日傘に比べればその効果は落ちます。
一方、雨傘を選ぶ時は視界の良さやデザインや大きさなど、濡れない事が目的ですので自分の好みやセンスで選んでもその効果には大きな違いは起きません。
最近では、どんな強風であっても絶対に壊れない雨傘なども販売されていますね。
お値段は傘としてはかなり高価ですが、台風の中でも傘を差して移動しなければならない学生さんや営業職の方などは検討してみるのも良いかもしれません。
日傘と雨傘の見分け方!この傘どっちだっけ?
忘れ物として非常に多い傘。
急な雨に降られてやむを得ず購入したり、持ち帰る・持っていくのを忘れるなどを繰り返すうちに、気が付けば家の傘立てには傘が溢れているなんてことはありませんか?
いざ、使おうと思った時にあれ?この傘は日傘?それとも雨傘??
万が一、日傘なのか雨傘なのか判断が付かない事態に陥った場合は息を吹いて確かめてみましょう。
傘を開いて、外側(雨や日差しにさらされる側)から内側に向かって息を吹きます。その際、傘の内側(息を吹いた箇所の裏手)に手を置いて手に向かって息を吹くようにします。
風を感じる場合、日傘です。全く風を感じない場合は雨傘です。
通気性に差がある為、息を吹くだけで簡単に判別ができますよ。
日傘を雨傘として使える?
さて、違いが色々とある日傘と雨傘ですが代用品にすることは可能なのでしょうか?
まず、突然の雨にあってしまった時に日傘を雨傘替わりに差した場合。
結論から言えば、雨漏りします。
通気性を持たせる構造になっている日傘を雨傘の代用品として使用した場合、何もささないよりは雨を凌げるかもしれませんが、その内ポタポタと雨がしたたり落ちてきます。
差さないよりはマシ、という程度には雨が防げますが代用品としては使えないでしょう。
雨傘を日傘として使える?
逆の場合はどうでしょう?雨傘を日傘の代用品として使う事はできるのでしょうか?
答えは「代用品として使えない事は無いがおすすめはしない」です。
まず、色が濃い雨傘であれば紫外線は防ぐことができます。
しかし、風通しは当然悪いので暑さ対策としてはせいぜい日蔭を歩けるという程度です。
日傘に比べ、重さがありますし何より一番大きな問題点として晴天の中、雨傘を差して歩き人々の視線を気にしないでいられるか?という点です。
人の目なんて気にならない、という方であれば雨傘でも紫外線を防ぐ事は可能です。とはいえ、やはり目的に合った傘を差した方がよさそうですね。
晴雨兼用傘!日差しも雨もこれ一本
突然の雨や、通り雨で急に晴れてしまう事で持っている傘が荷物になってしまう事はよくありますよね。
夏場などは特に天候が変わり易く困る事が多いです。
そこで、日傘としても雨傘としても使用することが出来る晴雨兼用傘が一本あると非常に便利です。
この傘、ベースは日傘となっているのですが撥水加工も施されている為、緊急用の雨傘としても使用する事ができるという優れものです。
デザインもオシャレな物が多く、一本持っておくと普段使いとして夏場に重宝しそうですよね。
日傘ベースの為、長時間の雨を凌ぐ事には適していませんが種類によっては雨傘をベースとした兼用タイプもあり、このタイプであれば雨傘として長時間の雨にも対応可能です。折り畳み式の兼用傘もあるので、バッグなどに常に携帯しておくと心強いですね。
まとめ
・雨傘は防水性、日傘はUVカットや通気性に優れる。
・日傘は雨傘の代用品には適さない。
・雨傘は日傘の代用に出来なくはないが、おすすめは出来ない。
・兼用タイプの傘もある。
いかがでしたでしょうか?
日傘と雨傘は目的が違う為、構造に違いがある事が大きな差異です。
同じ傘でも、それぞれ代用品として差すには不向きです。
いくら雨傘は日傘の代用品として差す事ができる、と言っても晴れた日に雨傘を代用品として差して街を歩くには勇気が要りそうです。
日傘ベースの兼用傘を夏用として、雨傘ベースの兼用傘はそれ以外のシーズンで、と使い分ける事で急な天候変化にも対応できますね。
少し高価ですが、バッグに忍ばせておくことで雨も紫外線も同時に防げますよ。
ただし、忘れ物の代表格である傘ですのでくれぐれも紛失・忘れ物にご注意を。