冬の朝の厄介なトラブルといえば、フロントガラスとワイパー凍結。
高級車に付属しているエアコンの場合は比較的早く霜を取ることもできますが、家庭用自動車の場合、スムーズに霜が取れるエアコンなどはついていません。
また、ガラスに熱湯をかけると割れる現象と同じように、フロントガラスに熱湯をかけるのは非常に危険です。
では、一体どうやって霜を取ればいいのでしょうか?
今回は、そんな冬の朝に役に立つ『車のフロントガラスの霜取り方法』をご紹介します。
目次
フロントガラスに霜が付く理由
冬になるとフロントガラスに霜がついてしまう理由はなんでしょうか?
『放射冷却』という現象を一度は聞いたことはあると思います。
星が綺麗に見えると翌日の朝は冷え込む、などとという話を聞いたことがある人もいるかもしれません。
放射冷却とは、昼に太陽によって暖められた地球が、夜になると急激に冷やされてしまう現象のことです。
この結果、空気中の水分が霜となって発生します。
夜の間曇っていた場合、雲が宇宙から奪われる熱を遮断し、保温効果を発揮するので放射冷却は起こりません。
そのため晴れた夜の翌朝の方が霜が付きやすいのです。
車のフロントガラスの霜取り方法
①解氷スプレーを使った取り方
フロントガラスに付いた霜は削ると取ることができますが、時間がかかり、削り方によってはフロントガラスに傷が付く恐れがあります。
アマゾンなどにはそんな人のために解氷スプレーなるものが売られています。
解氷スプレーとは、0度でも凍らないアルコール特性を利用して、フロントガラスの凍結温度を下げることで溶かすスプレーです。
吹き付けた瞬間から解凍されるので、急いでる朝には最適です。
そして、実はこの解氷スプレー作ることができるのです。
材料はエタノールと水のみなので、突然出来てしまった霜にもすぐに対応することができます。
また、エタノールを使って台所の除菌スプレーやデオドラントスプレーを作ることができるので一家に一本あるととても便利です。
✔ つくり方(参考動画)
作り方は簡単。エタノールと水を3:1の割合で混ぜるだけです。
エタノール300mlに水を100ml加えて作ると、ちょうど500mlのペットボトルに入れることができます。
ここで注意しなければならないことは、解氷スプレーを吹き付けた後ワイパーをかけるとゴムの劣化が早まってしまいます。
なので、この解氷スプレーをスプレーしたあとはワイパーは使わずタオルで拭き取るのが望ましいです。
また、解氷スプレーのデメリットとして、フロントガラスに撥水コートが施してある場合、シリコン系だと取れてしまうことがあるため、フッ素系のコート剤にすることをおすすめします。
②ヘラを使った取り方
フロントガラスについた霜を取る際、一番スタンダードな方法はヘラで取ることです。
アマゾンなどでは霜を取るためのヘラなども販売されているのでそれを利用して霜を取ることができます。
しかし、この方法では霜を簡単に取ることができますが、霜が厚い場合にはなかなか取ることができないかもしれません。
また、ヘラの中には硬い素材でできているものもあるので、使用するときは注意が必要です。
硬いヘラで霜を取ってしまうとフロントガラスを傷つけてしまうこともあるので注意しましょう。
③デフロスターを使った取り方
フロントガラスが凍っていることに気づいたら、まず車のエンジンをかけるのが最善の策です。
方法は、まず始めにエアコンの吹き出し口の設定をデフロスターにします。
デフロスターに設定をすることで、フロントガラスのすぐ近くからエアコンの風が出るようになります。
次に、後ろのリアウィンドウの凍結も解消するためデフォッガーのスイッチをONにします。こうすることでガラスに熱が伝わり、10分から15分ほどで霜が溶けていきます。
フロントガラスに霜を発生させない対策
フロントガラスが凍ってしまいそうなときには、先に対策をすることも大切です。
主な防止策としては、「屋根のある場所に駐車すること」「フロントガラスにカバーをかけておくこと」「フロントガラスを撥水処理しておくこと」などです。
①屋根のある場所に駐車する
フロントガラスが凍結する理由として、空中にある水蒸気が車に付着し凍り、霜が降りて車のフロントガラスが凍結させることがあります。
これを防ぐには、車を覆うことの出来る、屋根のある場所に駐車することが重要です。
夜露で車が濡れることがなければ、フロントガラスや車体が凍結することもありません。気温が低くても、車庫の中では霜が降ることはありません。
また、屋外でもヒサシや軒などが建物から少しでも突き出しているような場所があれば、頭から駐車することでフロントガラスの凍結を防ぐことができます。
建物以外にも、大きな常樹や庭木の付近でも同様の効果があります。
②フロントガラスにカバーをかけておく
屋外に駐車する場合、フロントガラスにカバーをかけておくことで凍結を防ぐこともできます。
このカバーは、安いものだと1000円程度から見つけることができます。
カバーを選ぶ際には、厚みがあり、カバーの端をドアに挟むことができるなど、風対策もできるものを選びましょう。
デメリットとして、風のよくあたる場所では煽られてしまう危険性もあります。
ちなみにこの方法は、本格的に雪や霜の対策を必要とする豪雪地帯で広く知られる方法です。またこの方法では、凍結防止効果だけでなく、積もった雪をはがす際に払うことができるので、視界が確保しやすいです。
なお、フロントガラスは全て覆うことができますが、ワイパーまではカバーしないものが多いので、駐車時にはワイパーを上げておくといいでしょう。
③フロントガラスを撥水処理しておく
フロントガラスが汚れていたり、撥水剤を使用していない車は凍結しやすいのをご存知ですか?
撥水剤を使用しない場合、フロントガラスに水分がつきやすくなるため低温になると凍結しやすく、ヘラで削る際にも取りにくくなることがあります。
日頃から揮発剤を使用することで、突然の悪天候にも対応することができます。
まとめ
・解氷スプレーは自宅で作ることもできるので霜を取るのに適している
・ヘラを使って取る際にはガラスに傷が付かないよう注意が必要
・デフロスターを使用することで簡単に霜が溶ける
・日頃から霜がつかないよう対策をすることも大切である