夏の暑い時期から秋にかけて困らされる嫌な害虫として、必ずその名があがってくる「蚊」。
耳元で飛び回る音は不快極まりなく、刺されると強いかゆみが出るばかりか、様々な病原菌やウイルスの媒体にもなり重篤な症状を引き起こすことまであるというとても恐ろしい虫です。
蚊は家の周りのほんの少しの水たまりにも産卵して大量発生に繋がってしまう可能性が大いにあり、注意が必要です。
水から出て飛び回り始める前の、ボウフラのうちにしっかりと手を打ってしまいましょう。
今回は、効果的なボウフラ対策(駆除方法)をご紹介します。
目次
ボウフラの発生条件
ほとんどの方が知っていることかもしれませんが、まずはボウフラの発生する環境についておさらいしてみましょう。
条件としてはとてもハードルが低く、水たまり、25度程度の適度な気温、メスとオスの蚊(成虫)の3点が揃えばどこにでも発生してしまいます。
さらに魚や鳥などの天敵が少なく日陰になっているところであれば、ボウフラにとってはかなりの好条件となってしまいます。
ボウフラが蚊になるまでの期間
成長段階は蝶などと同じように卵→幼虫→さなぎ→成虫の順をたどります。
蝶などと違うところは、成虫になり飛び立つまでの期間を水の中で過ごすということです。
そのため、水の中から出てこないうちに一気に駆除してしまったほうが効率がいいのです。
ちなみに成虫となったあとは条件が揃った状態でオスの蚊は約1週間、メスの蚊は約2、3ヶ月ものあいだ生きていられるそうで、この間にどんどん卵を産み付けてしまいます。
【ボウフラ対策】おすすめの駆除方法
①銅板を入れる
水の中に銅板を入れると、銅イオンが水中に溶け出すことによってボウフラが蚊になる前に死んでしまいます。
効果が出るまでは少し時間がかかるもののその効き目は絶大で、「防虫銅板」という名前の商品も売っているほどです。
ちなみにすでにサナギになってしまっている個体にはあまり効果はなくそのまま成虫になってしまうことが多いとのことなので、できるだけ早めに投入することをおすすめします。
この方法は、雨水枡や排水溝などにも使用可能です。
②10円玉を入れる
10円玉も90%が銅でできているため、銅板と同じく銅イオンの発生によりボウフラを駆除することができます。
昔から「お墓の花立てには10円玉を入れて蚊が生まれるのを防ぐ」という知恵があったそうで、こうして現代まで言い伝えられているくらいなのでよほど効果があるのでしょう。
そして銅板でも言えることですが、殺菌効果により水をきれいに保ってくれる効果もあるのでご先祖様も喜んでくれそうです。
もちろんお墓だけでなくどこへでも応用が可能ですし、10円玉ならわざわざ入手しに行かずとも手元にたくさんあることが多くすぐに試せる手軽な方法です。
③メダカによる駆除
(出典:Wikipedia)
たとえば睡蓮鉢で睡蓮を育てている場合などは、少しでも植物の育ちに影響を与えてしまう可能性のありそうなものや薬品などは使いたくないですよね。
そんな時は生態系のサイクルを利用してメダカを飼ってしまえば、植物への悪い影響もないままボウフラを食べて駆除してくれます。
さらに見た目のうえでも睡蓮鉢とメダカの相性はぴったりで、涼しげで可愛らしい雰囲気に癒されます。
ただし、エサとしてボウフラを食べることのできないような小さめのメダカの場合、即効性のある対策にはなりませんので注意が必要です。
④ドジョウによる駆除
メダカと同じくドジョウもボウフラを食べてくれ、メダカとの共存も可能なので一緒に睡蓮鉢で飼うのにおすすめの生き物のひとつです。
メダカよりも体が大きいので、よりたくさんのボウフラを駆除してくれることでしょう。
飼う場合は跳ねて脱走しないように鉢の上にネット等をかけ、隠れ家になるパイプ等を沈めてあげると良いでしょう。
ただ、飼うのはとても簡単と言われているドジョウですが、繁殖させ増やすのはかなり難しいそうなのではじめからある程度の数を入手しておきましょう。
ボウフラ駆除の効果的な発揮のための注意点
①不必要な水たまりをなるべく減らす
ボウフラは、たった1枚の落ち葉の中に溜まったごくごく僅かな量の水ですら繁殖可能とのことですから驚きです。
家の周りに置きっぱなしになっている古タイヤや空き缶、バケツ、植木鉢の受け皿や使っていない水槽など、水のたまる可能性があるものはたくさんあります。
もしそれが不必要なものであれば、できるだけ置いておかないようにしてボウフラの発生を元から減らしましょう。
②水の底に溜まった泥などは捨てる
泥が銅イオンの働きの妨げになってしまうためです。
銅イオンは水をきれいに保ってくれる効果はありますが、もともと汚れている水を完全にきれいにするまでの力はありません。
メダカやドジョウを使った場合でも、ボウフラのエサになる微生物が多い汚れた水にはメスの蚊がどんどん産卵しに来るうえにボウフラの成長スピードも上がるので、駆除が追いつかなくなってしまう可能性があります。
土が溜まっている場合は一度捨てて、きれいにしてから対策を試みましょう。
③銅板や10円玉は綺麗なものを使う
黒く汚れてしまった銅板や10円玉を使うよりもピカピカのもののほうが銅イオンをたくさん放出することができるため、ボウフラ駆除の効果がぐんと高まります。
もし汚れてしまっている場合はお酢やクエン酸、レモン汁など酸の強いものを溶かした水にしばらく浸けておき布で磨けば新品のように綺麗になります。
さらに歯ブラシなどで磨けば細かい部分まで綺麗になり、より高い効果が期待できます。
まとめ
・ボウフラの発生条件はとても揃いやすく、すぐに大量発生してしまうので早めの対策が必要です。
・銅板や10円玉など銅でできたものを水中に入れれば、殺菌効果のある「銅イオン」が発生して水をきれいに保つとともにボウフラも駆除できます。
・植物への影響が気になる睡蓮鉢などでは生態系のサイクルを利用し、ボウフラを食べてくれるメダカやドジョウを飼うのがおすすめです。
・ボウフラ対策を実施する前に家の周りの水たまりを極力減らしたうえで、残った水の底に土が溜まっていないか、駆除に使う銅板や10円玉が汚れていないかなど気をつけましょう。