【油揚げ・薄揚げ・厚揚げの違い】意味は違う?方言が影響している?徹底解説!

 

ヘルシーということで、今世界中から注目されている食材の一つが豆腐ですね。

 

その豆腐を揚げてできるのが「油揚げ・薄揚げ・厚揚げ」ですが、この3つの違いはご存知ですか?

 

この名前の違いには作り方だけではなく、方言が影響しているとも言われていますが、どうなのでしょうか?

 

今回はそんな油揚げ・薄揚げ・厚揚げの意味の違い・方言についてなど、身近な食材の意外と知られていないギモンを徹底解説します!

 

目次

【意味】油揚げ・薄揚げ・厚揚げの違い

①油揚げ・薄揚げ

 

 

木綿豆腐を薄切りにして、圧して少し脱水した状態の豆腐を油で中に良く火が通るまで揚げます。

 

そして、それを2~3回繰返し揚げるので豆腐の内側までパリパリに揚がり、中には空洞ができます。

 

そして、実は油揚げも薄揚げも作り方は全く一緒!!つまり、呼び名が違うだけなのです。

 

②厚揚げ

 

 

厚切りにした豆腐を油で揚げて作ります。

 

しかし、完全に油の中に浸すのではなく外側だけを揚げるようにする為、外はカリッと揚がっているのに内側は柔らかい豆腐のままです。

 

その状態から「生揚げ」とも呼ばれています。

 

【方言】油揚げと薄揚げは地方によって呼び名が様々

 

 

油揚げと薄揚げは基本的には同じ物です。

 

しかし、面白いことに地方によって呼び名が違います。

 

「うすあげ」という呼び名が地方での呼び名で、特に関西圏に多いようです。

 

その他、関西の方では、「あげさん」や「あげ」、「おあげ」などと呼ぶ人も多いそうです。

 

関西で「あぶらあげ」と探してもなかなか通じないかもしれません。その場合は、「うすあげ」で探してみてください。

 

このように、方言の影響と言うより、地域によって呼び名が違うようです。

 

油揚げはなぜ呼び名が地方によって異なるのか?

 

 

油揚げの歴史は長く、なんと1600年代(江戸時代)には既に今とほとんど変わらない作り方の物が食べられていたようです。

 

元々、うどんなどに入れる天ぷらの変わり種として考えられたもののようで、豆腐より日持ちもするということで江戸時代中期辺りからは庶民にも親しまれていた料理でした。

 

その後、この油揚げは徐々に全国に広まりました。

 

しかし、現代のように写真や動画は無い時代、文献や人々の口コミで広がって行く過程で地方によって呼び名や作り方などが少しずつ変わっていったのだと考えられます。

 

油揚げと薄揚げが違う地域のご当地油揚げ

 

 

基本的に油揚げと薄揚げは同じ物を指していますとお伝えしましたが、地域によっては油揚げと薄揚げが違うところもあるようです。

 

同じ油揚げでも地域によってサイズも形も全く違うようです。

 

①庄内地方

山形県の庄内地方では厚揚げ(生揚げ)のことを油揚げと呼び、油揚げのことは薄揚げと呼ぶことがあるそうです。

 

ちょっと混乱してきそうですね。

 

②宮城県

宮城県では「三角揚げ」と呼ばれる油揚げがあります。特に有名なのが宮城県定義山の三角油揚げです。

 

定義山西方寺への参道で売られている人気の三角油揚げですが、厚揚げと変わらない程の厚みと1つ食べたらお腹がいっぱいになりそうな程のサイズです。

 

中の豆腐がクリーミーで一度食べたら病み付きになるとか。

 

この三角揚げが目当てて遠方からも沢山の方が訪れるようです。

 

③京都府

京都の方はどうやら油揚げを頻繁に食べられているようで、油揚げやがんもどきに掛ける年間の支出金額は全国でも上位に位置するそうです。

 

その京都の人々が「おあげさん」と親しみを込めて呼び、愛してやまないのが「京揚げ」と呼ばれる油揚げです。

 

なんと、この京揚げ、実に約30cmあります。

 

そして、京揚げは一般的な油揚げと違い中まで完全に油で揚げていない為、中は空洞になっておらず、少し豆腐が残っているのです。

 

この絶妙な厚さと食感、風味などが人気の秘密のようです。

 

④奈良県

奈良の郷土料理でもある油揚げは「大和揚げ」と呼ばれるものです。

 

こちらの豆腐は分かりやすく言えば、厚揚げと油揚げの中間と言った感じです。

 

この大和揚げの特徴ははできた豆腐を斜めに切って揚げる為、場所によって厚みが違います。

 

この厚みの違いによって良く揚がっている部分と、そうでない部分の触感や風味を一度に楽しめる点です。ふわふわの中身が煮物などに良く合います。

 

⑤福井県

福井県の油揚げも厚揚げよりは厚みはないけど、一般的な油揚げよりは薄くなく中まで油で揚がっていない為、豆腐の柔らかい部分が残っています。

 

サイズも大きくずっしりしていて食べごたえ抜群です。

 

「大判揚げ」や「厚揚げ」という名前で販売されているようですが、どれも油揚げだそうです。

 

⑥愛媛県

愛媛県には「松山揚げ」という油揚げがあります。

 

この油揚げの特徴は日持ちがするという点です。

 

一般的な油揚げが約1週間しか日持ちしないのに対して、この松山揚げは約90日間も日持ちするそうです。

 

それは、豆腐を3mmと極薄に切った後、ギリギリまで圧縮して水分を抜く為です。

 

使いたい時に、油抜きしなくても手でサクッと割れば良いので手軽に使えます。

 

汁物に浸した時の触感がまるでお餅のようになります。

 

⑦熊本県

熊本県の油揚げと言えば、「南関あげ」です。

 

熊本県内だけではなく、九州のスーパーでは大体どこでも販売されています。

 

30cm角と大きなもので松山揚げと同じく、薄切りにした豆腐を極限まで圧縮した後、2度揚げされているので日持ちし、料理の出汁を良く吸うという点が特徴的です。

 

厚揚げと油揚げ・薄揚げの栄養素とカロリーについて

 

 

つづいては、厚揚げと油揚げのカロリーについてご紹介します。

 

①厚揚げ

タンパク質と脂質、鉄分、ビタミンKやカルシウムが豊富です。

 

100gあたりのカロリーは約150キロカロリーです。

 

普通の豆腐より、カロリーは3倍近く多いですが、実は脂質は低いのです。

 

カルシウムなどの不足しがちな栄養も豊富で、話題の糖質制限ダイエットには適した食材かもしれません。

 

②油揚げ・薄揚げ

ビタミンKやマグネシウムが豊富です。

 

100gあたり、約386キロカロリーです。

 

1枚で考えると約116キロカロリーになります。

 

油で揚げているだけあり、結構高カロリーですね。

 

醤油やたっぷりの砂糖、みりんを使って煮るとさらにカロリーアップするので、ダイエット向きとは言えないかも。

 

食べ過ぎは注意ですね。

 

まとめ

・油揚げと薄揚げは一般的に同じ物

 

・厚揚げは厚切りした木綿豆腐の表面だけ揚げた物

 

・油揚げと薄揚げは地方によって呼び名が違い、特に関西地方で薄揚げと呼ばれることが多い。

 

・油揚げの歴史は長く、全国に広がる過程で製法や呼び名が地方によって違ってきたと思われる。

 

・油揚げと薄揚げの意味が違う地方もあり、ご当地油揚げは沢山ある。

 

・油揚げは高カロリーだが、厚揚げの脂質は低くダイエット向き。不足しがちな栄養素も豊富。

 

今まで何気なく口にしていた厚揚げや油揚げ、意外と歴史や奥が深いですね。

 

ご当地油揚げ、今ではネット販売やお取り寄せも可能なようです。

 

油で揚げているから太ると敬遠せず、色んな厚揚げや油揚げを味わってみてください。