海苔は、体の健康に欠かせない栄養成分を多く含んだ食品です。
栄養価のある海苔も食べ過ぎると太ったり、健康に影響が出るのでしょうか。
今回は『海苔の栄養』『海苔を食べすぎた時の影響』『食べ過ぎてはいけない量』等をご紹介します。
目次
海苔の栄養素と特徴
『海の野菜』とも言われている海苔には、どんな栄養素が含まれているのでしょうか。
細かく見ていきましょう。
①タンパク質
海苔の40%は、タンパク質です。大豆より多い含有量です。
必須アミノ酸を含んだ良質なアミノ酸でできています。
海苔1枚が牛乳100mlと同じ量のたんぱく質が入っています。
②食物繊維
重量の1/3が食物繊維です。100gあたり36g含まれています。
海苔の成分のポルフィランは、海苔の細胞を保護する水溶性の食物繊維です。
海苔に含まれているポルフィランは、ワカメや昆布にはない海苔特有の物質です。ただし、消化されにくいというデメリットもあります。
③ビタミンB1・B2
エネルギーの供給や老廃物の代謝を促す作用があります。
④ビタミンC
100g中の含有量は210㎎です。レモンの約2倍の量です。(レモンは100g中100㎎)
体の酸化を防止する作用やストレスに強い免疫力を付ける効果があり、海苔のビタミンCは、熱に強いと言われています。
⑤ミネラル
主にカルシウム・マグネシウム・鉄・ヨードが含まれています。
⑥葉酸
食品の中で100g中の含有量は、1,900μg含まれていて、ほうれん草よりも多く含まれています。
⑦その他の特徴
昆布に含まれるうま味成分(グルタミン酸)・鰹節に含まれるうま味成分(イノシン酸)・しいたけに含まれるうま味成分(グアニル酸)の三大うまみ成分が海苔には、全部含まれています。
天然食品では海苔以外ないと言われています。
海苔は『1日2枚食べると医者いらず』と言われるほどの健康食品です。食べ過ぎるとどんな影響があるのでしょうか?
次は海苔の食べ過ぎによる影響をご紹介します。
海苔を食べすぎると太る?
海苔のカロリーは、100g中あたり焼海苔で188kcalです。
海苔1枚当たり3gなので、約6kcalになります。なので、普通に摂取しているのであれば、太ることは考えにくいです。
ただし、味付け海苔等は焼海苔よりカロリーがあるのでとり過ぎには、注意が必要です。
甲状腺の病気になるの?
甲状腺ホルモンは、ヨードを取りすぎると甲状腺の機能低下症を引き起こします。
海苔に含まれているヨードは焼海苔(1枚・3g)に対し0.063㎎です。成人の1日に必要な摂取量は0.095~0.13㎎とされています。
焼海苔1枚で1日の約1/3を摂取することになります。ただし、0.5~3㎎のヨードを摂取しても、日本人は、影響が少ないといわれています。
計算上、海苔を1日に約48枚以上食べれば影響があるかもしれません。
便秘になるの?
海苔に含まれている水溶性の食物繊維が便秘の解消に効果があると言われています。
しかし、食べ過ぎて便秘になることはありません。
嘔吐するの?
消化不良になることがあるので、胃腸が弱っている時や小さいお子さんは、大量にとると嘔吐や下痢を起こすことがあると考えられています。
腹痛は?
海苔には、多くの食物繊維が含まれています。
食物繊維を多く含んだ食品を食べて、腹痛になることはあります。特に不溶性の食物繊維をとりすぎると、腹痛を起こすことがあるようです。
海苔にも不溶性の食物繊維も多少含まれているので、食べ過ぎた場合腹痛をおこす可能性もあります。
胃痛は?
海苔に含まれているフォルフィオシンが胃潰瘍に良い成分なので、胃痛を招くことはないありません。
ただし、海苔に含まれている食物繊維は、消化されにくいこともあり、体調不良の時など胃腸の機能の低下により消化不良になることもあり、胃痛の原因になることもあります。
アレルギーになる?
味付けをしていない海苔にはアレルギー物質はありません。
しかし、味付け海苔の味付けや海苔の成分で引き起こすアレルギーがあります。
①食物アレルギー
味付け海苔には、味付けに小麦、エビ、大豆が入っています。
食物アレルギーの人は注意が必要です。
②ヨードアレルギー
ヨードアレルギーの反応が出た場合、喉の腫れやかゆみが出るようです。
海苔の1日の摂取量
1日にどれくらいの海苔を食べれば、健康に害がないのでしょうか?
海苔に含まれている栄養成分から考えると海苔は葉酸を多く含んでいますので、海苔の葉酸の上限を超えない為には、約15枚位が目安になります。
栄養成分上、問題ないとされていますが、体調の悪い時など、影響が出る場合もあるので、1日2~3枚程度が目安のようです。
次は、海苔と一緒に食べたほうが良い食材、食べないほうが良い食材をご紹介します。
海苔と一緒に食べたほうが良い物
ごはんやパンなどの穀物類、肉、果物、野菜、キノコ類やヨードの排出を促す大豆類の味噌、納豆、しょうゆ、とうふが良いとされています。
海苔と一緒に食べないほうが良い物
海苔と同様ヨードを多く含んだ食材である、昆布、わかめ、ところてん、たら、あわび、たらこ、牡蠣です。
ヨードを排泄する効果のある大豆をうまく取り入れて、摂取すると良いでしょう。
海苔にはたくさんの栄養素が含まれています。適切な量をとれば、効果が期待できます。どのような効果があるのでしょうか?
海苔を摂取して期待できる効果
①がんの抑制
海苔に含まれる食物繊維が発がん性物質を排出する働きがあります。
②胃潰瘍
海苔に含まれる成分のフォルフィオシンが胃潰瘍に効果があると言われています。
③貧血
海苔に含まれる鉄分・ビタミンB1B2・葉酸が貧血の予防に効果があると言われています。
鉄分はヘモグロビンをビタミンB1B2と葉酸は赤血球を作る作用があります。EPAが含まれているので血液をサラサラにする効果も期待できます。
④ダイエット
海苔は低カロリーの食品です。海苔の食物繊維は、腸内環境を整え、脂肪の吸収を抑える働きがあります。
コレステロールと血糖値の上昇を抑える効果もあります。
⑤美容
海苔の成分のポルフィランは、肌の老化の原因の活性酵素の除去や免疫力の向上等の作用があります。
海苔に含まれているポルフィランは、給水・保水力は、ヒアルロン酸と同じ位と言われています。美容に効果がある成分が多く含まれています。
さいごに
海苔には、たくさんの栄養素が含まれています。健康や美容に効果が期待できる食品です。
上手に日々の食事の中に取り入れて、過剰にとりすぎなければ、体に良い食品だと思われます。