秋になると目にすることも多くなる『カメムシ』。
独特な臭いが特徴的ですよね。
迂闊に触ってしまい、なかなか取れずに困った経験は日本人なら一度はあると思います。
今回は、そんなカメムシの臭いの正体から取り方まで一挙ご紹介します。
目次
カメムシの臭いの正体
カメムシの臭いの正体は、トランス-2-ヘキサノール(別名:青葉アルデヒド)という脂肪族アルデヒドの一種です。
キュウリやトマト、キャベツなどの野菜類、リンゴやバナナ、イチゴなどの果物、茶葉などにも存在する天然成分でヒトの加齢臭の成分である不飽和アルデヒドの一種だと言われています。
このトランス-2-ヘキサノール、実は薄めたものは香一般的な香水によく使われている成分なのです。
他にもエステーの消臭剤ではフルーツ系の香りを作る際に欠かせない成分なんだとか・・・。
香水などにも使われるこの成分がなぜこんなにも強烈な臭いに感じるのか。
それは、カメムシの出す分泌液にはトランス-2-ヘキサノールが他とは比べ物にならない程濃縮して含まれているからなのです。
カメムシの発生する時期
カメムシは梅雨時の6月頃に産卵し、7月ぐらいから少しずつ発生、9月から11月にかけての秋に大量発生します。
越冬のため、住みやすい場所を求めて家の中に入ってきたりもしますので、この時期は特に注意が必要です。
カメムシの臭いの取り方・消す方法
カメムシの臭いは本来は時間と共に消えるものなのですが、触ってしまった場合は一刻も早く臭いを消したいものですよね。
ここからはカメムシの臭いの取り方をいくつかご紹介します。
カメムシが皮膚についた場合
①油を使った落とし方
カメムシの臭いの成分である、トランス-2-ヘキサノールは新油性と揮発性に属します。
新油性は油に溶けやすく水に溶けにくいので触ってしまった場合にはすぐに石鹸で洗うのではなく、一度接触した部分にオリーブオイルなど油を塗り込んでから石鹸で洗うといいでしょう。
揮発性でもあるので温かいお湯ですすぐとより消臭効果があります。
②界面活性剤を使った落とし方
手に油を塗るのが嫌な場合、又は油がない場合はどうしたらいいのでしょうか。
一般的な石鹸は肌が荒れにくい成分を使って作られることがほとんどな為、新油性には適しているとは言えません。
その為油を使わない場合は石鹸の代わりに食器用洗剤で洗うことをお勧めします。
食器用洗剤には、界面活性剤というより洗浄力の高い成分が含まれているため、新油性にも適しているのです。
生肉などを触った後、石鹸では油っぽさが落としきれずに困った経験はありませんか?
そんなときにも食器用洗剤で手を洗うとあっという間に油っぽさが無くなり臭いも落ちるので、次の食品を触るときに心配する必要がなくなるのです。
ただ、食器用洗剤は本来肌についた汚れを落とすために作られたわけではないので、肌が荒れやすい方にはおすすめできません。
しかし最近では、手も洗える食器用洗剤なども出てきているので、そういった方はそちらから試してみるのがいいでしょう。
カメムシが衣類などについた場合
①衣類などについた臭いの落とし方
衣類などに臭いが付いてしまった場合は、界面活性剤の含まれた衣類用洗剤や柑橘系の香りの中性洗剤で漬け置きしてから洗うといいでしょう。
②カーテンやベッドシーツについた臭いの落とし方
カーテンやベッドシーツなど、すぐには洗えない大きなものに臭いがついてしまった場合は、揮発性の性質を利用して晴れた日に日干しにするか、ドライヤーで熱を加えるといいでしょう。
しかし、界面活性剤などを使用した時より臭いの元が消えづらいので、即効性は求められません。
③靴底で踏んでしまったときの落とし方
この場合も同様に、界面活性剤の含まれた洗剤や柑橘系の香りの中性洗剤に漬け置き、擦り洗うといいでしょう。
ただし外で踏んでしまった靴のまま室内に入ってしまうと臭いが室内にこもってしまい被害が拡大する場合もあるので、なるべく屋外で臭いを落としてから室内に入るといいでしょう。
カメムシの臭いが室内にこもった場合
室内にカメムシの臭いがこもってしまった場合、臭いの元を取り除くことはできないため臭いを完全に消すことは難しいでしょう。
しかし、軽減はできます。どういった対処法で臭いを軽減することができるのでしょうか。
消臭剤などを使った落とし方
元来ファブリーズなど、市販で売られている消臭剤はカメムシの強烈な臭いには効果があまりありません。
実際ファブリーズの裏面には、「汚れが原因のニオイは、使用後、汚れから再びニオイが発生することがある。」と書かれていて臭いの成分を取り除くわけではないため、臭いの元が消えるまでの悪臭緩和程度でしかありません。
しかし、最近では様々な用途に応じた種類が発売されていて、その中には加齢臭に特化したものもあります。
カメムシの臭いも加齢臭もどちらも「脂肪酸が酸化することによって生じるもの。」とされているので、そういった商品を試してみるのもいいでしょう。
カメムシの臭い対策
①カメムシが室内に入ってきた場合
カメムシが家の中に入ってきた場合は、速やかに捕まえて外に逃がすことが大切です。
カメムシは危険を感じると、トランス-2-ヘキサノールを含んだ分泌液を放つ習性があるので、触ったりして刺激を与えず、とにかく驚かせないことが大切です。
たまに掃除機で吸う人がいますが、掃除機の中でカメムシが悪臭を放ち、掃除のたびにカメムシの臭いが充満するようになって泣く泣く掃除機を買い換える羽目になったという話もあるので気をつけましょう。
②ベランダなどにカメムシが出現した場合
カメムシは暖かいものや光に反射したものに集まる習性があるため、洗濯物にもつくことがあると思います。
最近では市販のキンチョールなどからカメムシ用のスプレーが出ていたり、外で干す洗濯物のために忌避剤なども売られているので、そういった製品を活用してカメムシの臭いがつくのを未然に防ぐことも大切です。
③外でカメムシを避けるには
外出先でカメムシが付かないようにするには、カメムシの好む色を避けるといいでしょう。
カメムシは白、黄色や色の薄いものを好むためカメムシの出現するような場所に出かける際は、そういった色を避けるといいでしょう。
まとめ
・カメムシの臭いには油が効果的
・油が使えないものには界面活性剤を使用
・洗えないものには日光や熱が効果的
・白や色の薄い服を着るときは注意
・家に侵入したときは速やかに刺激を与えないように捕まえる