玉ねぎは食べると血液がサラサラになり、ダイエット効果もあるなど最近注目を集めている食材の一つですね。
一年を通して価格も安定しているので、自宅に必ず玉ねぎをストックしている方は多いと思います。
サラダにスープ、カレーやハンバーグの種などメインとしても脇役としても毎日の食卓には欠かせませんよね。
そんな玉ねぎは、実は食べ過ぎると体に様々な影響が出る場合があります。
今回は、玉ねぎを食べすぎた時の身体に現れる影響と適量などをご紹介します。
目次
玉ねぎは元々観賞用だった
今でこそ、毎日の献立には欠かせない野菜になっていますが、元を辿れば、江戸時代に観賞用として外国から日本にやってきたものです。
長崎にやってきた玉ねぎは、その後、北海道で栽培され始めましたが、まだまだ強い臭いから人々からは敬遠されていたそうです。
実際に多くの人々に食べられるようになったのは実は明治初期頃と言われています。
イランでは紀元前27世紀くらいから栽培されていた記録があり、玉ねぎそのものの歴史は非常に長いのですが、日本で食用として食べられ出したのは意外とそんなに遠い過去ではないのです。
しかも、食べられるきっかけとなったのが、当時日本で流行していた「コレラ」という病気に効くという噂からだと言われています。
食べてみたら、本当は美味しかったと当時の人達は驚いたのでしょうね。
玉ねぎの種類と期待できる効果
玉ねぎはツンとした強い臭いが特徴ですが、食べると意外と甘味があり、生のままで食べるのも美味しいですよね。
では、玉ねぎを食べるとどのような効果が期待できるのでしょうか?
スーパーでよく見かける玉ねぎの種類と併せてご紹介します。
①黄タマネギ
一般的に流通されており、私たちがよく目にする玉ねぎです。
水分が少ないので、保存が効きます。
含硫有機化合物が豊富な為、食べると血液サラサラ効果があります。
高脂血症や高血圧、動脈硬化、脳卒中や心筋梗塞などの血管のトラブル予防に特に効果があると言われています。
②赤(紫)タマネギ
表面や中身の一部が赤(紫)です。
辛みが少ないため、サラダとしてよく食べられています。
アントシアニンという成分が豊富で、アンチエイジング効果があります。
アントシアニンは赤ワインなどにも含まれるポリフェノールの一種です。
③白タマネギ
皮と中が白い玉ねぎです。
甘味があるので、オニオンスライスなど生で食べるのに向いています。
栄養素は黄色玉ねぎと同様、血液をサラサラにし、疲労回復、抗酸化効果などがあります。
④新タマネギ
春先に黄タマネギや白タマネギを早く収穫したものです。
水分が多く、辛みが少なく甘いのが特徴です。
栄養素は黄や白タマネギとほとんど変わりませんが、オリゴ糖の含有量が多めなので、腸内環境を整えてくれる効果があります。
玉ねぎを食べ過ぎると体に起こりうる影響
さて、先にご紹介したように、たまねぎはどこのスーパーでも手軽に手に入る上、色んな料理に使え、また、血液をサラサラにしてくれるなどの健康に良い効果が期待できる万能の野菜です。
しかし、そんなたまねぎもやはり食べ過ぎると体に様々な影響を与えてしまう恐れがあります。
①胃が痛くなる・気持ちが悪くなる
玉ねぎを食べ過ぎると気持ちが悪くなるという事があります。
玉ねぎにはアリシンという成分が含まれており、このアリシンの強い抗菌や殺菌作用は適量の摂取だと、身体には良いのですが、食べ過ぎると、胃腸を刺激しすぎてしまう場合があります。
特に、胃腸が元々弱かったり、ストレスや疲労が溜まっていたりする方は、胃が痛くなってしまうことも多いです。
そして、胃腸が刺激されることで、気持ち悪くなり、酷い場合は嘔吐してしまうことがあるようです。
②腹痛・下痢
玉ねぎの過剰摂取により、アリシンが腸を強く刺激してしまい腹痛や下痢を引き起こしてしまう場合があります。
アリシンには抗菌や殺菌作用の他、腸のぜん動運動を促してくれる整腸作用があるからです。
この整腸作用も、食べ過ぎてしまうと腸の働きを良くし過ぎてしまうということです。
普段からお腹が痛くなりやすかったり、ストレスなどで下痢になったりする事が多い方は、玉ねぎなどの刺激の強い食べ物の食べ過ぎには特に注意しましょう。
③頭痛
アリシンは時に頭痛を引き起こしてしまう場合があるようです。
頭痛だけではなくとも、玉ねぎを食べたらめまいが起こったという人も中にはいるようですが、それはもしかしたら食物アレルギーの可能性も考えられます。
もし、玉ねぎを食べてめまいが起きてしまうような事が何度かあった場合、病院に受診されることをおすすめします。
④口臭
玉ねぎを食べると体内では硫化水素を発生させます。
この硫化水素は温泉にも含まれる強力なガスで、卵が腐った時の臭いや下水の臭いなどにも例えられる程の悪臭です。
そんな硫化水素が腸内でガスとして発生するので、身体は体外に排出しようとします。
これが、「おなら」です。
ただし、おならとしてガスを全て排出できない場合、その一部は逆流して口から出てしまいます。
そして、それでも残ったガスは血液中に溶け込んで肺から排出されるといいます。
おならとして出し切れなかったガスが実は「口臭」の原因なのです。
⑤体臭
口臭の原因となる腸内で発生した硫化水素ガスは、おならや口から排出されます。
しかし、それでも排出できなかったガスは血液中に溶け込みます。
そして、皮膚からも排出されることがあり、これが「体臭」の原因へと繋がります。
硫化水素はとても強力な臭いのガスです。
ほんのわずかであったとしても、皮膚から排出される場合、やはり体臭がきつくなってしまうでしょう。
ただ、これは玉ねぎだけに限らず、肉や卵などのたんぱく質を多く摂取した場合も同様です。
玉ねぎの適正量
玉ねぎの1日の適正量は50gと言われています。
ちょっと分かりづらいので、玉ねぎに換算すると、中サイズの玉ねぎを1/4個くらい。
玉ねぎって毎日食べる機会も多いし、サラダにすると50gなんてペロッと食べてしまいそうですね。
しかし、50g以上食べると、食べ過ぎに値するのだそうです。
まとめ
・玉ねぎは元々観賞用として江戸時代に外国から長崎に伝えられた。
・玉ねぎの種類は主に4種類。一般的なものは黄タマネギで血液サラサラ効果がある。
・玉ねぎを食べ過ぎると胃痛・腹痛・下痢・頭痛などを引き起こす可能性があり、特に胃腸の弱い人やストレスや疲れが溜まっている人は注意。
・玉ねぎを食べると腸内で硫化水素ガスが発生する。これが、口臭や体臭などの原因となる。
・1日の適正量は50g。これは中サイズの玉ねぎ1/4個くらい。これ以上の摂取は食べ過ぎだと言える。
玉ねぎは料理の幅も広く、とても身近な野菜ですね。
血液をサラサラにしてくれたり、アンチエイジング効果もあるとなれば是非、積極的に摂りたい野菜ではありますが、くれぐれも食べ過ぎには注意してください。